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The Royal College of Psychiatrists Improving the lives of people with mental illness

たばことこころの健康、からだの健康

My smoking, my mental health, my body

 

 

このリーフレットはこころの健康上の問題をお持ちで、次のようなことを心配していたり、または関心をお持ちの方々のためのものです:

  • たばこがどのように身体に影響するか。
  • たばこがどのようにこころの健康に影響するか。
  • どうすれば禁煙できるか。

 

ある人の体験談:

一年前にたばこを止めてから、心身ともにずっと健康になった気がします。お金にも余裕ができ、たばこを吸っていた頃にはできなかったことができるようになりました。飲んでいた薬の量もかなり減りました。

 

はじめに

こころの健康上の問題があり、たばこを吸っている場合、あなたは自分ではどうにもできないとあきらめているかもしれません。でも、そんなことはありません。こころの健康上の問題があっても、多くの人が禁煙に成功しています。そして、以前より気分がよくなり、長く生きられるようになっています。ほかの誰もと同じように、あなたにも助けを求める権利があるのです。

 

たばこを止めたらどんなメリットがありますか?

  • おそらく以前よりずっと健康で気分がよいと感じるでしょう。
  • 今服用している薬の量を減らせるかもしれません。
  • より健康になって長く生きられる、ただ一つのもっとも効果的な方法です。
  • 一日にたばこの量を10本減らせば、一年で1000ポンド以上節約できます。
  • より丈夫な身体でいられるでしょう。

もし止めなかったら・・・・・?

  • こころの健康に問題があると、おそらく他の人よりもたばこを吸う量が多くなり、そのため、さらに健康を害することになるでしょう。
  • 英国では毎年10万人の人がたばこの害で亡くなっています。あなたはその一人になる可能性があります。
  • 早死の可能性が高くなります。たばこを吸わない場合に比べると、約10年は寿命が短くなります。(喫煙者の半数は15年、4分の1の人は25年、本来の寿命よりも早く亡くなっています。)
  • 呼吸器障害、心臓疾患、糖尿病、様々ながん(肺がんだけではありません)になる可能性が高くなります。

 

こころの健康とたばこ

精神疾患をもっていると、よりたばこを吸う傾向があります。吸えば吸うほど、次のようになりがちです:

  • 精神疾患になりやすくなります。しかし理由はわかっていません。
  • 不安になったり気分が沈んだりします
  • 自殺について考え、自殺を図ろうとさえします。
  • 麻薬やお酒を乱用します。これは、こころの健康上の問題をさらに悪化させます。

 

全般的に、こころの健康の問題がある上にたばこを吸っている場合、健康状態がさらに悪くなるおそれがあります。これは、精神疾患をもつ人が早死にする主な理由の一つです。

 

たばこを止めれば、あなたはもっと気分がよく健康になり、ずっと長く生きられるのです。

 

たばこを止めるのに、助けを求める権利があなたにもあるのです。

 

たばこによるその他の問題

  • 男性は勃起しにくくなります。
  • 女性は、次のような傾向があります。
    • 妊娠しにくくなります。
    • 妊娠の経過がより大変になります。
    • 生まれた子供の健康状態が思わしくなかったり、体重が少なかったりします。
  • 副流煙(訳注:他人のたばこの煙)を吸った非喫煙者に害を及ぼします。
  • 出費が増えます。
  • 健康状態が悪ければ、仕事など、やりたい事ができなくなってしまうかもしれません。
  • 公的な場所はほとんどが禁煙です。そのため、あなたはやりたいと思っている事から閉め出されていると感じます。

 

たばこを止めるのに遅すぎませんか?

たとえ10代の頃からたばこを吸っていても、やめるのに遅すぎることはありません:

  • 35歳くらいまでにたばこを止めれば、たばこを吸ったことがない人とほとんど同じくらい長く生きられるでしょう。
  • 50歳までにたばこを止めれば、ずっと吸い続けている人がなるような、たばこ由来の病気で亡くなる可能性が半減するでしょう。

 

たばこを止めたらどんな気分になりますか?

  • おそらく、より健康で気分がよいと感じます
  • 止めた後、少しの間気分が悪くなる人がいます。じきによくなりますが、辛いようなら何か別のサポートを受けるとよいでしょう。
  • たばこを止めてしばらくの間、咳が多く出るかもしれません。たいていは一時的なものですが、数ヶ月続くこともあります。
  • 体重が増えることがあります。しかし運動や健康的な食事でコントロールできます。
  • より丈夫な身体になります。
  • 服用している薬の量を減らせるかもしれません。
  • より健康になって長く生きられることをやり遂げた、という満足感が得られます。

 

どうやったらたばこが止められますか?

人によって解決法はちがいます。あなたにとって一番よい方法を見つけましょう。次のような方法があります。

 

自分でできること

  • 禁煙についてのセルフ・ヘルプの本を読む。
  • 定期的に何か運動をする。
  • たばこを吸いたくなった時に、次の4つのことを思い出す(4つのD)。

 

気を紛らわせるDistract yourself):たばこのことから気をそらすように、他の事を考えたり、一所懸命に何かに取り組む。

 

何かを飲むDrink something):清涼飲料水をゆっくり飲み、一口飲むごとに数秒間口に含んだままにしておく。これが、たばこを手にしたり煙を口に含んだ時の感じの代わりになる。

 

すぐに行動しないDelay):たばこを無性に吸いたくなっても吸わない。数分待てば、その欲求は次第におさまっていく。

 

深呼吸をするDeep breathing)。

 

他の人からの援助や支持

  • 医師、看護師、ヘルスケアの専門家からアドバイスを受けましょう。これだけあれば、たばこを止めるためには十分かもしれません。
  • 地域のNHS(国民医療サービス)の禁煙サービスから支援を受けましょう。
  • 電話やインターネットによるサポートがあります。
  • 友人、専門家、たばこを止めようとしている個人またはグループからサポートが受けられます。
  • 同じようにたばこを止めようとしている友人と協力し合いましょう。
  • 初めは、たばこを吸う友人に近づかない方が楽でしょう。しかし、友人や家族からのサポートは役に立ちます。
  • 鍼灸治療や催眠療法を好む人もいます。しかしそれが有効であるか、臨床試験では証明されていません。効果的な治療薬があります(詳細は下記をご覧ください)。
  • たばこを止めたら、自分の他にも、身近な人の誰を救うことになるか(例えば、あなたの子供など)、考えてみましょう。
  • 最後になりますが、またたばこを吸ってしまっても、決してくじけてはいけません。みんなもそうです。そういうことすべてが、たばこを止めるための経験のうちなのです。

治療薬

ニコチン置換療法(Nicotine replacement therapy: NRT

これは、たばこを吸うかわりに、身体が欲しているニコチンを他の方法で体内に取り入れる治療法です。経皮用パッチ剤、ガム、吸入器などがあります。パッチ剤を吸入器やガムと併用すると、より効果が見られるようです。これらのパッチ剤、ガム、吸入器により、皮膚、口の中、のど、鼻に刺激を感じることもありますが、たいがいは一時的なものです。この方法で、完全に禁煙できる可能性が倍増します。

 

ブプロピオンZyban: 訳注:日本では未承認

たばこを吸いたいという欲求を抑えますが、眠れなくなることがあります。てんかん(発作またはけいれん)または双極性障害(躁うつ病)がある場合は、服用すべきではありません。

 

バレニクリンチャンピックス

ニコチンに対する欲求を抑えますが、たばこを吸った時の快感も抑えます。一方で、この薬により、不安になったり、気分にむらが出たり、眠れなくなったりします。これらの副作用に関してはまだ研究中ですので、こころの健康上の問題がある場合、通常バレニクリンは避けた方がよいでしょう。

 

でも完全に止められるかわかりません・・・・・。

ヘビースモーカーであればなおさらのこと、完全には止められないと感じているかもしれません。でも、心配無用です。次のようなことをしてみましょう:

  • たばこを止める前に量を減らしましょう。突然止めなければいけないわけではありません。
  • いつ、どこで、誰と吸ったか、記録しておきましょう。どういう時、どういう場所で吸いたくなるか、はっきりするでしょう。そうすれば、そういう状況を避けたり対処したりする方法を、前もって知ることができます。
  • たばこを減量している間、たばこなしで我慢する方法を見つけましょう。
  • ニコチン置換療法(上記参照)を使えば、たばこの量を減らす助けになります。

 

わかりました、たばこを止めます。それで、こころの健康はどうなりますか?

うつ病

うつ状態は軽くなるでしょう。中には少数ですが、たばこを止めるとうつ状態が悪化する人もいます。その時は、次のようなことをしてみましょう:

  • かかりつけ医、(もしいれば)キー・ワーカーやケア・コーディネーターと定期的に連絡をとる。
  • 認知行動療法(cognitive behaviour therapy; CBT)などの対話療法(訳注:心理療法など、対話を通じておこなわれる治療法)が受けられるか聞いてみる。

 

統合失調症

  • たばこを止めることは、他の人より難しいかもしれません。しかしあなたの症状が悪化することはないでしょう。
  • ニコチン置換療法かブプロピオンが役に立ちます。
  • ニコチン置換療法を受け禁煙サポート・グループに参加すると、さらに止めやすくなります。

 

喫煙と薬

  • たばこによって効果が弱まる薬があります。吸わない場合と比べて、服用する量を多くしなければならなくなります。
  • したがって、たばこを止めれば、数日のうちに薬の血中濃度が上がります。医師は4分の1かそれ以上、薬の量を減らす必要があるでしょう。
  • しかし、たばこをまた吸い始めれば、おそらく元の量に戻さなければならなくなります。

 

たばこによって影響を受ける薬には、次のようなものがあります:

  • 抗うつ薬(古くから使われているアミトリプチリンのような三環系抗うつ薬、新薬のミルタザピン)
  • 抗精神病薬(特にクロザピン、オランザピン、ハロペリドール)
  • ベンゾジアゼピン(ジアゼパムなど)
  • オピオイド(メタドンなど)

 

入院している時はどうなりますか?

  • いくらたばこを吸い続けたくても、英国ではどの精神科病棟でも建物内でのたばこが禁じられています。
  • 病棟のスタッフは、あなたが入院中、たばこを吸わないよう手助けするための研修を受けています。たばこを止めたければ、スタッフが手助けしてくれます。
  • 病院内でのたばこが禁じられているのは、すべての人たちのからだとこころの健康を改善しようとする決意の表れです。

 

精神保健サービスでは、あなたのこころの健康を保つ手助けをしますし、他の面での支援もします。

かかりつけ医、精神科医、ケア・コーディネーター、そして精神保健サービスのスタッフなら誰でも、次のような手助けをしてくれます:

  • からだの健康を向上させる。
  • 運動や健康的な食事など、健康的なライフスタイルを提案する。
  • たばこを止めるためのアドバイス、情報、サポート、必要があれば禁煙補助薬を提供する。
  • たばこを止めた後、体重が増加しないようにする。
  • たばこを止めた後、あなたに必要な薬の量を調節する。

 

あなたの身体を大切にしましょう、そうすればこころのケアもできるように精神面でもよくなるでしょう。

 

あなたはたばこをやめられます。助けを求めましょう。それはあなたの権利です。

 

他の資料

 

参考文献

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Cahill K, Stead L, Lancaster T (2007). Nicotine receptor partial agonists for smoking cessation. Cochrane Database of Systematic Reviews, issue 1, CD006103. Wiley Interscience.

 

Campion J, Checinski K, Nurse J, McNeill A (2008). Smoking by people with mental illness and benefits of smoke-free mental health services. Advances in Psychiatric Treatment. 14: 217-228.

 

Campion J, Checinski K, Nurse J (2008). Review of smoking cessation treatments for people with mental illness. Advances in Psychiatric Treatment. 14: 208-216.

 

Cuijpers P, Smit F, ten Have M et al (2007). Smoking is associated with first-ever incidence of mental disorders: a prospective population based study. Addiction. 102(8): 1303-9

 

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John, U., Meyer, C., Rumpf, H. J., et al (2004) Smoking, nicotine dependence and psychiatric comorbidity – a population-based study including smoking cessation after three years. Drug and Alcohol Dependence, 76, 287–295.

 

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Translated by Mika Yamada-Reynolds, Hisako Akanuma and Dr Nozomi Akanuma. May 2012.

著者

Dr Jonathan Campion (St George’s University London on secondment to Department of Health)

Dr Ken Checinski (St George’s University London) 


© [2012] Royal College of Psychiatrists. This leaflet may be downloaded, printed out, photocopied and distributed free of charge as long as the Royal College of Psychiatrists is properly credited and no profit is gained from its use. Permission to reproduce it in any other way must be obtained from the Head of Publications. The College does not allow reposting of its leaflets on other sites, but allows them to be linked to directly.
 

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