Accessibility Page Navigation
Style sheets must be enabled to view this page as it was intended.
The Royal College of Psychiatrists Improving the lives of people with mental illness

アルコール:なじみのドラッグ(薬物)

Alcohol: Our Favourite Drug

 

 

はじめに

アルコールはなじみのドラック(薬物)といえます。多くの人はお酒を楽しみながら飲みますが、なかには飲酒が深刻な問題になってしまう人もいます。

 

事実、アルコールは、ヘロインや大麻といった非合法薬物よりもずっと有害です。アルコールは精神安定剤ですが、依存性もあります。また、飲酒による病気や事故で入院に至ることが数多くあります。

 

アルコールがもたらす問題

こういった問題の大半は、時間や場所をわきまえずに飲み過ぎてしまうことが原因です。アルコールによって判断力が鈍り、普段なら思いもよらないことをやってしまいます。飲酒すると、危険を察知できなくなり、危ない目に遭いやすくなります。喧嘩や口論をする、金銭トラブルを起こす、家庭がうまくいかなくなる、行きずりの性行為をするといった問題も起こしやすくなります。また、アルコールは、自宅や路上での事故や水難事故、運動中の事故の原因にもつながります。

 

アルコールがもたらす問題-身体に起こる症状

泥酔するような飲み方は、ひどい二日酔いや胃痛(胃炎)、吐血、意識障害といった症状を起こしうるだけでなく、死に至ることさえあります。長期に渡る過度の飲酒は、肝臓病の原因となる可能性があります。また、がんにかかる危険性を高めます。一方、40歳以上の男性と更年期の女性において、飲酒は、節度を持って飲むぶんには、心臓病のリスクを減らす効果があります。

 

アルコールがもたらす問題―こころに起こる症状

アルコールは楽しい気分になるために飲むもの、と私たちは考えがちです。ところが、飲み過ぎると、逆に気分が落ち込むことがあります。自殺者の多くは、飲酒問題を抱えていたことがわかっています。アルコールは、記憶力の低下や脳の障害の原因となります。雑音や人の声が聞こえるといった幻聴(幻覚)すら引き起こすことがあります。幻覚は、一旦始まるとなかなかおさまらず、非常に不快です。

 

アルコール依存症の兆候

アルコールには依存性があります。次のような症状はアルコール依存症の兆候です:

 

  • 飲まないと落ち着かない。朝、起きがけに飲まずにはいられない。
  • 数時間飲まないと、ひどい震えや発汗が生じ、不安や緊張を覚える。
  • 酔うことなく大量に飲酒できる。
  • 酔うために必要なアルコール量がどんどん増える。
  • 飲酒を止めようとしても、自分ではやめられない。
  • 仕事や家族、友人関係に支障が出ているとわかっていながら、飲酒を続ける。
  • 数時間または数日間の出来事が思い出せないといった「記憶の空白」が生じる。

 

アルコール問題に対処する

自分自身や友人の飲み方に不安を感じたら、今すぐ飲酒習慣を直しましょう。飲酒による問題が手に負えなくなってから節酒するよりも、お酒で健康を害する前に節酒するほうがずっと簡単です。

 

克服への第一歩

飲酒日記をつけましょう。実際はこんなに飲んでいたのかと驚くかもしれませんが、それが節酒の動機づけになります。また、節酒することについて友人や家族と話し合うのもよいでしょう。周囲に話すのを恥ずかしがってはいけません。本当に親しい友人は、協力を惜しまないものです。友人達がずっと心配してくれていたことに気がつくかもしれません。

 

アルコール依存症の治療

飲酒習慣をなかなか改善できないときには、かかりつけ医に相談するか、地域のアルコール対策機関(下の連絡先を参照)にアドバイスを求めるとよいでしょう。飲酒量を減らそうとすると、ひどく震えたり、そわそわ落ち着きがなくなって、うまく飲酒をやめられない場合があります。そうしたときには、かかりつけ医が短期間だけ薬を処方してくれるのが一般的です。それでも改善が難しい場合には、アルコール問題の専門家にかかる必要があります。

 

飲酒習慣を改善するには

習慣を変えるのは誰にとっても難しいものです。その習慣が生活を大きく占めている場合は特にそうです。生活習慣の改善は次の3つのステップで行っていきます:

 

  • まずは、問題があることを自覚し、認める。
  • 次に、悪い習慣をなくすため、周囲に協力を求める。
  • そして、一旦習慣を変え始めたら、それを継続する。

 

ストレスや不安をやり過ごすためにお酒を飲んでいる人もいるかもしれません。精神科医や心理士の助けを借りて、アルコールに頼らずに不安を乗り越える方法を見つけましょう。

 

また、同様の問題を抱えている人たちの集まりに参加してみましょう。多くの場合回復に大いに役立ちます。アルコホリクス・アノニマス(AA)のような自助グループや、アルコール依存症治療施設の専門家が運営する自助グループなどがあります。

 

飲酒問題を抱えていても、ほとんどの人は入院する必要はありません。しかし、中には普段お酒を飲んでいる場所や飲み友達と距離を置かなければならない人もいます。このような人は、アルコール依存症治療病棟へ短期間入院する必要があります。薬物療法は、離脱症状がある場合に、アルコールを体から抜くために行われます。しかし、お酒の代わりに精神安定剤に頼るようになってしまうことは避けなければなりません。

 

飲酒する人なら誰でも、アルコールの問題を抱える可能性があります。すべてを失う人もいます。ホームレス(路上生活)に陥る原因の多くはアルコールです。援助と相談を受けるだけでよい人もいますが、住まいを確保し、人間関係を再構築して仕事に復帰できるよう、長期的な支援が必要な人もいます。

 

アルコール問題と闘うのは苦しいことです。でも、最後には、生活のあらゆる面で良い変化が起き、報われるのです。

 

飲み過ぎの量とは?

お酒は種類によって強さが違います。「ユニット」という単位を用いれば、アルコール摂取量を簡単に計算することができます。1ユニットはアルコール1ミリリットル分を表し、一般的なパブで出される普通のビールやラガー半パイント(訳注:1パイントは568 ミリリットル)、もしくはグラスワイン(小)1杯分に相当します。

 

同じ体重の男性と女性が同量のアルコールを飲んだ場合、女性のほうが体内組織により多くのアルコールを取り込みます。そのため、不公平なようですが、女性の安全な飲酒量の上限は週14ユニットで、男性の週21ユニットに比べで少なくなっています。

 

アルコールの「暴飲」

先に述べた安全な飲酒量の上限は、一週間かけてまんべんなく飲むことを想定した量です。一回当たりの飲酒量にも気をつけなければなりません。

 

一日当たりでは、男性で4ユニット以下、女性で3ユニット以下に抑えるのが最適です。一回につき男性で8ユニット、女性で6ユニットを超えるよう飲み方は「暴飲」として知られています。

 

一晩の飲酒量が一日当たりの適量を超えたとしても、一週間で見れば安全な飲酒量の範囲に収まっていることがあります。しかし、ほんの数日暴飲しただけで脳細胞が死滅するという科学的根拠があります(これは、長期に渡って連続飲酒した人にしか起こらないと以前は考えられていました)。暴飲は、中年男性における早死の危険性の増加と関連があるとも考えられています。

 

アルコールの「ユニット」の使い方

以下の表は、いろいろな種類のお酒に含まれるアルコール量の目安を示しています。

 

このガイドラインはあくまでも目安ですので、銘柄や計量方法によって値が異なる場合があります。イギリスでは、1.2% ABV(Alcohol By Volume :容積当たりのアルコール量)より強いお酒はすべて、アルコール度数をパーセンテージで記載して販売するよう義務づけられています。

 

ABVの数値が高いほど、より多くのアルコールが含まれていることになります。また、一般的にパブでは、自宅で注ぐよりもかなり少なめの量で提供されますので、ユニット数を計算する際には注意が必要です。

 

ビール、サイダー、アルコール入り清涼飲料 度数 半パイント 1パイント 瓶・缶 瓶・缶

一般的なビール、ラガー、サイダー

例:Draught beer, Woodpecker 

3-4% 1 2 1.5 1.9 -
「輸入品」の強いビール、ラガー、サイダー
例:Stella, Budweiser, Heinekin, Kronenbourg,
Strongbow 
 5%  1.25  2.5  2  2.5  -

特に強いビール、ラガー、サイダー

例:Special Brew, Diamond White, Tennents Extra

 8-9%  2.5  4.5  3  4.5  9

アルコール入り清涼飲料

例:Bacardi Breezer, Smirnoff Ice, Reef, Archers, Hooch

 5%  -  -  1.7  -  -

 

 

ワイン、蒸留酒  度数  グラス(小)/ パブの場合 ワイングラス  瓶 
一般的なワイン  12-14%  1.5-2.5  10 

アルコール強化ワイン

(シェリー酒、マルティーニ、ポートワイン)  

15-20%  0.8  2-3  14 

蒸留酒

(ウィスキー、ウォッカ、ジン)  

40%  30 

 

相談窓口

Drinkline 英国アルコールヘルプライン
電話ヘルプライン: 0800 917 8282 - (England and Wales, Mon -Fri, 9am -11pm)

アルコールに関する情報とアドバイスを無料、秘密厳守で提供しています。

 

Alcoholics Anonymous 無名のアルコール依存者たち

電話ヘルプライン:0845 769 7555; Eメール: helpline@alcoholics-anonymous.org.uk

英国各地のAA集会については、上記にお問い合わせください。会が本人に適しているかチェックする簡単な適性テストや、会に関するFAQ(よくある質問と回答)を用意しています。*翻注:日本支部あり。

 

Al-Anon Family Groups UK and Eire
電話ヘルプライン: 020 7403 0888 (午前10時-午後10時、年中無休); Eメール: enquiries@al-anonuk.org.uk

アルコール依存症と闘う人の友人と家族をサポートするグループです。FAQ(よくある質問と回答)や、パンフレット、その他印刷物、英国各地の集会情報を提供しています。

 

Alcohol Concern
電話: 020 7928 7377; Eメール: contact@alcoholconcern.org.uk

アルコール依存症に関するさまざまな情報や記事を提供しています。18項目あるリーフレットは酒類に関する法律や飲酒運転事故などについての情報が満載で、専門家に大変役立つ内容です。また、検索エンジンやアルコールに関連するリンクのリストも掲載しています。

 

Alcohol Focus Scotland
電話: 0141 572 6700; Eメール: enquiries@alcohol-focus-scotland.org.uk

スコットランド内のアルコール問題をあつかう国内ボランティア団体です。法律関連やFAQ、適度な飲酒のコツ等、アルコールに関する情報を提供しています。

 

Depression AlIiance

電話: 0845 123 23 20; Eメール: information@depressionalliance.org

うつ病に苦しむ人たちや、支援を必要としている家族のための団体です。うつに関する情報とサポートを提供しています。自助グループの運営や情報提供、うつ病への理解向上を目指しています。

 

Giveupdrinking.co.uk
ラガー(ビール)を断つ50の方法を掲載。
飲み過ぎを自覚したときや、アルコールが生活に支障をきたしていると感じたとき、このウェブサイトが役立ちます。

 

www.downyourdrink.org.uk

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンを拠点とし、チャリティー団体Alcohol Concernが運営しています。ウェブサイト上で飲み過ぎかどうかの自己判断ができます。飲み過ぎに対する改善方法も紹介しています。


Translated by Yumiko Nagamitsu, Mio Sugihara and Dr Nozomi Akanuma. May 2012.


© [2012] Royal College of Psychiatrists. This leaflet may be downloaded, printed out, photocopied and distributed free of charge as long as the Royal College of Psychiatrists is properly credited and no profit is gained from its use. Permission to reproduce it in any other way must be obtained from the Head of Publications. The College does not allow reposting of its leaflets on other sites, but allows them to be linked to directly.
 

For a catalogue of public education materials or copies of our leaflets contact:

RCPsych logo

       Leaflets Department
       The Royal College of Psychiatrists
       17 Belgrave Square
       London SW1X 8PG

       Telephone: 020 7235 2351 x 6259

       Charity registration number 228636

 


 

feedback form feedback form

このサイトへのリンク、リーフレットのダウンロード、印刷、コピーならびに配布はご自由にどうぞ。ただし、内容を変更したり、他のウェブサイトに転載することはお断りいたします。

個々の事例に対する助言はできかねますのでご了承ください。必要な援助を受けるためのアドバイスは、Q&Aのページをご覧ください。

このリーフレットへのご意見をお聞かせください。

次の質問にお答えの上、「送信」をクリックしてください。または、ご意見をdhart@rcpsych.ac.ukあてにメールでお送りください。(訳注:ご連絡は英語でお願いします。)

下の表の左の列にあるそれぞれの項目について、感じたことに一番近いものをクリックしてください。

いただいたご意見は、このリーフレットをよりよくするために参考にさせていただきます。なるべくすべての項目にお答えください。

 

このリーフレットは:

そのとおりだと強く思う

そのとおりだと思う

どちらとも言えない

そうは思わない

まったくそうは思わない

  Strongly Agree Strongly Agree Agree Neutral Disagree Strongly Disagree Strongly Disagree
読みやすかった
           
役に立った
       
丁寧に書かれていて、
見下された 感じはしな
かった
     
デザインが良かった
         

ご自身についてお答えください。このリーフレットを読んでみたのはどうしてですか。あなたがどれに当てはまるか選択してください(2つまで)。

あなたの年齢(当てはまるものを選択してください。)

 

 

Login
Make a Donation