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The Royal College of Psychiatrists Improving the lives of people with mental illness

うつ病

Depression

depression leafletこのリーフレットについて

現在うつ病を発症している人、あるいは過去にうつ病になった経験のある方にこのリーフレットを読むことをおすすめします。私たちは、このリーフレットが、うつ病の方の友人、家族にとっても役に立つよう願っています。

このリーフレットでは、うつ病にかかるとどのように感じるのか、どのような治療が受けられるのか、どのようにうつ病と向き合っていけるのか、うつ病にかかった人にどんな手助けをしてあげられるのかを記しています。また、うつ病について依然としてわかっていないことについても述べています。リーフレットの最後には、うつ病についてもっと情報を得たいときに問い合わせることのできる機関の連絡先をあげています。

 

はじめに

私たちはみなときに、うんざりし、みじめな気分になり、悲しくなることがあります。しかし、このような気持ちは普通1、2週間で消え、生活にひどく支障をきたすものではありません。そんな気分になる理由やきっかけがあることもありますが、理由もなくそのような気分になることもあります。通常、私たちは何らかの助けを必要とはせずに、友人に話すなどしてうまくそのような気分に対応します。

しかし、あなたがうつ病にかかっているとすれば、次のようなことがあるかもしれません:

  • 2、3日気分がよくならない、あるいは落ちこんだ気分が何週間、何ヶ月も続きます。
  • あまりにひどく落ち込んで生活に支障をきたします。

 

うつ病にかかるとどんなふうに感じるのでしょう?

うつ病にかかっても次にあげる全部の症状を発症するわけではありません。しかし、うつ病にかかった人の多くには、次のうち最低5つか6つの症状がみられます。

  • ほとんどいつも不幸せに感じています(ただし夕方には気分が少しよくなるかもしれません)。
  • 人生に興味を失い、何事も楽しむことができません。
  • 決断をすることが難しくなります。
  • 今までできていたことが、できなくなります。
  • ひどい疲労を感じます。
  • 落ち着きがなくなり、 怒りやすくなります。
  • 食欲がなくなり体重が減ります(その逆の場合もあり、体重が増える人もいます)。
  • 寝つくのに1−2時間かかり、普段より早く目覚めます。
  • 性行為に興味を失います。
  • 自分に自信がなくなります。
  • 自分は役立たずでまわりの状況にふさわしくない人間と感じ、絶望します。
  • 他人との接触を避けようとします。
  • いらいらするようになります。
  • 気分の落ち込みは毎日ある特定の時間にひどくなります(特にそれが朝であることが多いようです)。
  • 自殺を考えます。

あなたは、しばらくは、実はどれだけひどいうつ状態にあるか、気がつかないかもしれません。症状が徐々に起こる場合は特にそうです。あなたは何とかがんばろうとし、怠け者で意欲のない人間だと自身を責めることもあるかもしれません。友人や配偶者(パートナー)がはじめて、それは治療を必要とする問題だとあなたに気づかせてくれることもあるでしょう。

体の痛みやずっと続く頭痛を感じ始め、不眠に陥ることもあります。このような身体的な症状がうつ病の初期の兆候でもあることもあります。

 

うつ病はどうして起こるのでしょう?

日常的な気分の落ち込みと同様に、明らかな理由があってうつ病が始まることがありますが、理由のないこともあります。何かへの失望や挫折、自分にとって重要だった事柄や人物の喪失などが理由かもしれません。理由は複数あることもあり、人によって様々です。たとえば次のようなことが考えられます:

  • 日常的なこと

死別、離婚、失職などつらい出来事のあとに気分が落ちこむのは当たり前のことです。その後、2、3週間あるいは2、3ヶ月、そのことを考え続けたり誰かに話したりするでしょう。そしてしばらく経つと、その出来事を受け入れます。しかし、落ち込みはずっと続き、なかなか回復しないかもしれません。

  • 環境

孤独であること、友人がひとりもいないこと、ストレス、悩みごと、身体的に衰弱していることなども、よくあるうつ病の原因です。

  • 身体の病気

身体の病気はあなたの脳の機能に影響し、うつ病を起こす原因になることがあります。次のようなものを含みます:

  • がんや心臓病など命にかかわる病気
  • リウマチなど、長期に渡ったり痛みを伴う病気
  • インフルエンザや扁桃腺炎などのウイルス感染症−とくに年少者の場合
  • 甲状腺機能低下症などのホルモンの病気
  • 性格傾向

他の人よりうつ病にかかりやすい性質を持つ人もいます。これは、遺伝によるものであったり、幼い頃の経験、あるいはそれら両方によるのかもしれません。

  • アルコール

定期的に多量に飲酒すると、うつ病になる確率が高まります。実際、死につながることもあります。

  • 性別

女性は男性よりうつ病にかかりやすいようです。これは男性が、女性ほど感情をひとに打ち明ける習慣がなかったり、多量の飲酒や他人に攻撃的になることで感情を処理する傾向があるからかもしれません。女性は男性よりも仕事と子育てを両立させることで、二重のストレスをかかえやすいともいえます。

  • 遺伝

うつ病は遺伝により家族内で起こることもあります。両親のどちらかが重症のうつ病になったことがある場合、そうでない人の約8倍の倍率でうつ病を発症しやすくなります。

 

双極性障害(躁うつ病)だとどうなるのでしょうか ?

重症のうつ病にかかる人の約10人に1人は、気分が異常に高揚し活動的になる期間をもつことがあります。これは以前、躁うつ病と呼ばれていましたが、現在はしばしば双極性障害と呼ばれます。男女ともに同じ確率で起こり、家族内で遺伝する傾向があります。

 

うつ病とは、ただの弱さの現れではありませんか?

他人は、あなたがまるで自分から進んでうつ病になったかのごとく、困難にただ「打ち負けた」だけなのだと考えるかもしれません。しかし、実際はうつ病になってしまうのは、病気にかかる以外の何ものでもないのです。ものすごく強固な意志をもつ人、しっかりした人でさえも重いうつ病を経験することがあります。たとえば、ウィンストン・チャーチルは、自身のうつ病を「黒い犬」と表現しました。

 

どんなときに助けを求めればよいのでしょうか?

  • 気分の落ち込みが通常よりもひどく、全然よくならない時
  • 気分の落ちこみが仕事や興味、家族や友人への気持ちにまで影響する時
  • 生きる価値を見出せず、自分がいないほうが他の人にとってはいいと感じる時

家族や友人に話してみるだけで十分かもしれません。しかしそれも役に立たなければ、かかりつけ医に相談する必要があるでしょう。友人や家族があなたの変化に気づき、心配していることがわかるでしょう。

 

自分自身でできること

  • 自分ひとりで抱え込まない

もし悪い知らせを聞いたり、つらい出来事があったら、近い周囲の人に、今自分がどんなふうに感じているのかを話すようにしましょう。何回も話す(あるいは泣く)ことも必要かもしれません。これはこころが癒されていく自然な過程の一部です。

  • 行動に起こしましょう

ちょっとした散歩でもいいので、外に出て運動しましょう。そうすると、あなたの健康に良いだけでなく、よく眠れるようになります。仕事に行くことができなくなっても、活動的であるのはいいことです。家事や大工仕事(電球を替えるという小さなことでも)、習慣となっていることのどんな活動でもよいのです。

  • よい食習慣を守りましょう

何も食べたくないかもしれませんが、定期的に食事は摂るようにしましょう。うつ病になると体重が減り、体の中のビタミンの減少がさらに気分を落ち込ませる原因となります。とくに新鮮な果物と野菜をとりましょう。

  • アルコールに気をつけましょう!

お酒を飲むことで悲しみにおぼれないようにしましょう。アルコールは実際はうつ病を悪化させます。アルコールを摂ると、たしかに少しの間気分がよくなるかもしれませんが、それは長く続きません。アルコールは重要な問題からあなたの気をそらし適切な治療を受けることを妨げます。健康にもよくありません。

  • 大麻

大麻によってリラックスできるようになりますが、大麻の常習は、特に青少年にうつ病をもたらすという科学的根拠があります。

  • 睡眠

もし眠れなければ、そのことを心配するのをやめましょう。ベッドで横になっている間、リラックスできる音楽やテレビ番組をつけて落ち着いてみましょう。頭が何かでいっぱいでも、からだを休ませると、不安が減り寝つきやすくなります。

  • 原因に立ち向かう

もしうつ病の背後にある原因がわかっていれば、それを紙に書き出して、どうやったらそれに立ち向かえるかを考えてみましょう。その中で一番よいと思う方法を実践してみましょう。

  • 希望をもち続けましょう

次のことを覚えておきましょう:

  • 他にもたくさんの人がうつ病にかかっています。
  • 信じられないかもしれませんが、うつ病はいずれは治るものなのです。
  • うつ病を経験したことが役に立つこともあります。治ったあとは精神的に強くなり、物事にもっと上手に対応できるようになります。事態や関係をもっと明確に洞察することできるようになります。
  • 過去には避けていたような人生の重要な決断や変更を下せるかもしれません。

 

どんな治療法があるのですか?

うつ病にかかったほとんどの人はかかりつけ医で治療を受けます。症状や、症状の重さ、状況によってかかりつけ医は次のことを勧めるでしょう:

  • 自己ヘルプ
  • 対話療法
  • 抗うつ薬

 

ガイダンスを受けながらの自己ヘルプ

これには次のようなものがあります:

  • 認知行動療法の理論に基づいた自己ヘルプに関するリーフレットや本
  • 自己ヘルプのためのコンピューター・ソフトやインターネット上のプログラム
  • 1回45分から1時間の運動を週3回、10週間から12週間おこなう

 

対話療法

多種多様な対話療法(または心理療法)があり、そのうちのいくつかは、軽度から中程度のうつ病にとても効果的です。次のようなものがあります:

  • カウンセリング

気分の落ち込みの程度によらず、気持ちをひとに話すということは効果的です。親しい友人にでも本当の気持ちを表現することが難しいことがあります。訓練を受けたカウンセラーやセラピスト(治療士)に話すほうが簡単に感じられるかもしれません。打ち明けたことでほっとし、人生や他の人たちに対する気持ちがもっと明確になるかもしれません。カウンセラーはかかりつけ医の診療所にいることもありますが、いなければ、かかりつけ医が地元のカウンセリング・サービスに紹介してくれます。

  • 認知行動療法(Cognitive Behavioural Therapy; CBT)

多くの人が、自分に起こったことを実際とかけ離れたふうに考える癖があります。その癖のせいで気分が落ち込み、それが続くことがよくあります。CBTは次のことに役に立ちます:

  1. 現実味がなく役に立たない考え方の癖を見つける。
  2. そして、新たにもっと役に立つ考え方や行動の仕方を身につける。

さらに詳しい情報は、CBTについてのリーフレットをご覧ください。

  • 問題解決志向療法

鍵となる問題を明確にし、それを解決しやすいものに細分化したり、問題解決に必要な技術を体得したりするのに役立ちます。

もしうつ病が配偶者(パートナー)との関係に関連しているようであれば、RELATE(リレート)はあなたの気持ちの整理を手伝ってくれるでしょう。RELATEは夫婦(カップル)間の悩みを専門的に扱っている機関です(「他の機関」の連絡先をご参照ください)。

  • サポート・グループ

もし身体の障害や家族の介護について悩み、うつ病にかかっているなら、サポート・グループで他の人と経験を共有しあうことが、助けになるかもしれません。

  • 死別カウンセリング

親しい人の死を乗り越えることができないとき、死別専門カウンセラーに話す必要があるでしょう。

  • 対人関係療法と精神力動学的精神療法

長期にわたって人生あるいは人間関係の困難を抱えているとき、これらの療法が適切だと思われます。治療は長期間かかりますが、あなたの過去の経験がどのように現在の人生に影響しているかを考えるのに役に立ちます。

  • 集団療法

グループで話し合うことは、他の人への接し方を変えるきっかけになるでしょう。安全でお互い助けあうことを主旨としている環境のなかで、あなたについての他人の意見に耳を傾け、今までと違った振舞い方や話し方を試す機会を与えてくれます。

対話療法は効果が出るのに時間がかかります。1セッションは通常1時間くらいで、5回から30回のセッションが必要となるでしょう。毎週セラピストに会うこともあれば、2、3週間に一回だけ会うこともあります。

 

対話療法における問題

これらの治療法は通常とても安全なものですが、望まない効果が現れることもあります。話すことによって過去の悲しい思い出がよみがえり、しばらく気分がより落ち込んでしまうというような影響もあるかもしれません。治療によってものの見方が変わり、友人や家族への接し方までも変わったという人もいます。そのため、親しい人間関係にある種の緊張感を与えることがあります。セラピストが必要な訓練を経ていて、信用できることを確かめましょう。もし治療を受けるのが心配なときは、医師かセラピストに相談しましょう。残念ながら対話療法を行う人材はいまだ不足しています。地域によっては、治療を始めるまでに何ヶ月も待たなければならないこともあります。

 

抗うつ薬

重症あるいは長期にわたるうつ病にかかっているとき、医師は抗うつ薬の服薬を勧めるでしょう。抗うつ薬は不安な気持ちを鎮め、焦燥感を抑えますが、精神安定剤ではありません。抗うつ薬は、うつ病の人の気分をよくし病気に対応できるように手助けするので、人生を楽しんだり問題に効果的に立ち向かっていけるようになります。抗うつ薬がどれだけプラシーボ(偽薬)より高い効果があるのか論議が続いていますが、抗うつ薬は重度のうつ病にはもっとも効果のある治療法のようです。

抗うつ薬を服薬しはじめても、おそらく2、3週間は気分に対する効果は何も感じられないでしょう。2、3日たつと、眠りやすくなり、不安が少なくなっているように感じるかもしれません。

 

抗うつ薬はどのように効果があるのですか?

脳は何万もの神経細胞からできていて、神経伝達物質と呼ばれるとても小さな化学物質が、細胞から細胞へ情報を伝達しています。脳の様々な領域で、100にわたる化学物質が働いています。うつ病では、その神経伝達物質のうち、セロトニン(5HTと略されます)とノルアドレナリンの2つが特に関わっているといわれています。抗うつ薬は、神経線維の末端にあるこの2つの化学物質の量を増やし、セロトニンとノルアドレナリンを使っている脳の領域の働きを強めます。しかしながら、気分を改善する実際の仕組みについはまだはっきりとわかっていないのが現状です。

 

抗うつ薬における問題

他のすべての薬と同様に、抗うつ薬にも副作用がありますが、それは通常軽度で、1、2週間後には消える傾向にあります。新規の抗うつ薬(SSRIと呼ばれます)を飲み始めると、最初はむかむかしたり、ちょっとの間いつもよりも不安な気分になるかもしれません。古くから使われている抗うつ薬を服薬すると、口が乾いたり、便秘になったりすることがあります。医師は、薬によってどんな副作用が起こりうるのか前もって説明してくれます。また、あなたがどんなことを気にかけているのか聞いてくれます。また、薬剤師からは、薬に関する説明書をもらえるでしょう。

もし抗うつ薬のせいで眠くてしょうがない場合、夜飲むようにすると、寝付きに役に立ちます。日中眠気があるようなら、眠気の副作用がなくなるまでは車の運転や機械を使った仕事をすべきではありません。薬を服用中にアルコールを摂取するとひどい眠気に襲われるので、やめるのが一番です。これらの薬のほとんどは、通常どおりの食事をしていても大丈夫です。

通常、精神科医ではなくかかりつけ医が抗うつ薬を処方します。最初のうちは、処方された薬があなたに合うか確かめるため、定期的にかかりつけ医に会う必要があるでしょう。薬に効果がある場合、気分がよくなってからも少なくとも6ヶ月は服薬を続けるほうがいいでしょう。もしこれまでに1回以上うつのエピソードがある場合、もっと長く薬を飲み続ける必要があるかもしれません。服薬をやめるときは、医師の指示にしたがって少しずつ薬を減らしていく必要があります。

よく抗うつ薬が「癖・中毒」になるのではないかと心配されます。たしかに急に抗うつ薬の服薬をやめると、何らかの離脱症状(訳注:退薬症状と呼ばれます)が現れることがあります。症状には、不安感、下痢、鮮明な夢をみること、悪夢などが含まれます。これらの退薬症状は、服薬する量を徐々に減らしてから中止することで通常避けることができます。バリウムなどの薬(あるいは、ニコチンやアルコール)と違い、同じ効果を得るための量がどんどん増えていったり、抗うつ薬が欲しくてたまらない気持ちは起こったりはしません。

 

抗うつ薬と青少年

十代の青少年への抗うつ薬の処方には、一定の規制があります。SSRI系抗うつ薬の服用により青少年の自殺が増える可能性があるという科学的根拠があるため、この年代の人への薬の使用に際しては規制があります。英国では以下のようになっています:

  • フルオキセチンは青少年への使用が認可されている唯一のSSRI系抗うつ薬です。
  • フルオキセチンは、通常、同時に対話療法を受けているときにのみ使用されます。
  • フルオキセチンは精神科医の指示のもと用いられます。
  • 青少年は少なくとも服薬を始めてから最初の4週間は、毎週診察を受ける必要があるでしょう。

さらに詳しい情報は、抗うつ薬のリーフレットをご覧ください。

 

代替療法

セント・ジョンズ・ワート(St John’s Wort)は薬局で処方箋なしで手に入るハーブ薬です。ドイツで広く使用され、軽度から中程度のうつ病に効果的であるという科学的根拠があります。現在、1日1錠飲むだけでよい剤形があります。抗うつ薬とほとんど同様に作用するようですが、抗うつ薬よりも副作用が少ないというひともいます。問題は、他の薬の効果を妨げる可能性があることです。もし他の薬を服用しているときは、かかりつけ医に相談しましょう。

 

抗うつ薬と対話療法のどちらが自分に合うでしょうか?

もしあなたの抑うつ症状が軽度の場合、おそらく抗うつ薬を必要としないでしょう。しかし、症状が長期にわたって続いていたり、生活に影響が出ている場合、対話療法を受けると同時に抗うつ薬も試してもいいかもしれません。

抗うつ薬で気分がよくなったあとに対話療法を受けると効果的であると感じる人が多いようです。対話療法は、あなたが落ち込んでしまうような人生の出来事に対して取り組めるように助けてくれるかもしれません。

ですから、どちらかの治療法に限るというのではなく、どの治療法がその時点でもっとも役に立つかが大事になります。対話療法と抗うつ薬は、中程度のうつ病からの回復を助ける効果が同等にあります(参考資料をご覧ください)。多くの精神科医は、重度のうつ病の治療には、対話療法より抗うつ薬のほうが効果があると考えています。

薬を服薬するのがただ単に好きではないというひともいます。対話療法が好きではないという人もいます。そのため、明らかに個人的な選択による部分もあります。しかし、地域によっては、適切なカウンセリングや対話療法をすぐには利用できないため、選択の余地がないのも事実です。

気分が落ち込んでいる時は、どうしたらよいか考えることも難しいかもしれません。そんなとき友人や家族、あるいはあなたが信用している人に話をしましょう。あなたが決断するのを助けてくれるかもしれません。

 

精神科医に会う必要がありますか?

おそらくありません。たいていの人はうつ病になったらかかりつけ医から治療を受けられます。もしそれでも回復せず専門医の治療が必要な場合、精神科医、あるいは地域精神医療チームのメンバーに紹介されます。精神科医は情動や精神疾患を専門とする、医学教育を受けた医師です。地域精神医療チームのメンバーには、看護師、心理士、ソーシャル・ワーカーや作業療法士などがいます。どの職種であっても、彼らはこころの健康の問題について訓練を受け、経験を積んでいます。

精神科医による初回の面接は、およそ一時間かかります。もしあなたが希望すれば、家族や友人に一緒に来てもらうこともできます。精神科医は、あなたの一般的な背景、過去に重い病気にかかったことや情動面での問題があったかどうか、知る必要があります。また、最近あなたの生活で何が起こったのか、どのようにしてうつ病になったのか、治療をもうすでに受けているのかなどを尋ねます。これらのすべての質問に答えることは難しいかもしれません。しかし、これらの質問は、精神科医があなたを一個人として知り、どうすることがあなたにとって良い選択肢であるのかを考えるのに役に立ちます。

選択肢は、おそらく実践的なアドバイスであったり、さまざまな治療の提案であったり、家族に関わってもらうこともあるでしょう。もしあなたのうつ病が重症だったり、専門家の治療を必要とする場合は、病院に入院の必要があるかもしれません。しかし、これはうつ病にかかった人の100人にたったひとりの割合です。

 

もし治療を受けなかったらどうなるのでしょうか?

幸いなことに、うつ病にかかった5人のうち4人は、治療を受けなくても4ヶ月から6ヶ月くらいの間に完全に回復します。では、なぜわざわざうつ病の治療を受けるのでしょう?

5人のうち4人がいずれ回復するといっても、残りの1人は2年後になってもまだうつ病が続いています。しかしながら、どの人が回復して、どのひとがそうでないのかと的確に予測することは不可能です。たとえいつかはよくなるにしても、うつ病の経験は不快なもので、うつ病の期間がなるべく短くなればいいと思うものです。さらに、一回発症すると、だいたい50%の割合で再発する可能性があります。うつ病になった人のうち少数ですが、いつか自殺に至ります。

このリーフレットに載っていることのいくつかを試してみることで、うつ病の期間を短くすることができるかもしれません。もし自分でうつ病を乗り越えることができれば、それは達成感となり、将来また気分が落ち込んでもまたうつと戦えるという自信になります。しかし、もしうつ病が重症で長期にわたった場合、仕事や人生を楽しむことができなくなります。

 

うつ病にかかっている人に何をしてあげられますか?

  • 聴くことです。これは簡単そうに聞こえますが実は難しいことです。あなたは同じことを何回も何回も聞かざるをえないかもしれません。求められなければ、アドバイスはしないことが一番です。答えがあまりにもはっきりしていてもです。もしうつ病が何かの問題が契機になって発症しているものであるなら、その問題の解決方法、あるいは少なくとも困難に立ち向かう方法だけでも、その人が自分で見つけられるように助けてあげましょう。

  • 時間を一緒に過すだけでもうつ病の人にとって助けになります。その人が話ができるように励まし、助け、いつもしていることのいくつかがいつものようにできるように助けてあげることができます。

  • うつ病にかかっている人にとって、いつか治るというのはまったく信じられないことなのです。いつかよくなると保証してあげましょう。ただし、何回も何回も繰り返して言う必要があるかもしれません。

  • 十分な食料を買ってきちんと食べているかどうか確認しましょう。

  • アルコールは避けるようにしましょう。

  • もし調子が悪くなり、もう生きていたくないと話し始めたり、自分を傷つけているような兆候があれば、真剣に受け止めてください。その人がそれらの事態を医師に話しているかどうか確認しましょう。

  • 治療を受けるようにすすめましょう。服薬やカウンセリング、対話療法を受けることをやめるよう言ってはいけません。もし治療について心配があれば、まずあなたが医師に相談することができます。

 

参考文献

Randomised controlled trial of problem solving treatment, antidepressant medication, and combined treatment for major depression in primary care. British Medical Journal (2000); 320:26-30

Natural history and preventative treatment of recurrent mood disorders. Thase FE. Annual Review of Medicine (1999); 50:453-468.

NICE Clinical guideline 90 Depression: the treatment and management of depression in adults (update) 2010.  National Institute for Clinical Excellence, London

NICE Clinical guideline 28 The treatment of depression in children and young people. September 2005,  National Institute for Clinical Excellence, London

http://www.nice.org.uk/pdf/CG028NICEguideline.pdf 

Effectiveness of antidepressants: evidence based guidelines for treating depressive disorders with antidepressants.

Anderson IM et al. (2000); Journal of Psychopharmacology 14 (1): 3-20.

Problems stopping: antidepressant discontinuation reactions. British Medical Journal; (1998) 316:1105-1106.

Cannabis and mental health (2002) Rey and Tennant, BMJ 325 (7374): 1183.

 

その他の役に立つ団体

Association for Postnatal Depression

ヘルプライン: 020 7386 0868 (月・水・金−午前10時〜午後2時;火・木−午前10時〜午後5時)

産後うつ病に苦しむ母親にサポートを提供します。産後うつ病に対する一般の認知を高め、その原因や性質についての研究を推進しています。

 

Aware- Helping to defeat depression

ヘルプライン: 00 353 1 90 303 302; 電話番号: 00 353 1 661 7211

アイルランドおよび北アイルランドでうつ病に苦しむ人に情報やサポートを提供しています。

 

Depression Alliance

電話番号: 0845 123 23 20; Eメール: information@depressionalliance.org

うつ病にかかっている人たちや、彼らを援助したいと考えている家族のために情報やサポート、理解を提供します。自助グループや情報、うつ病がもっと理解されるような活動もしています。

 

Depression UK (旧名Fellowship of Depressives Anonymous)

Eメール: info@depressionuk.org

うつ病をもつ人たちがお互いに助け合うための全国組織。

 

MDF The Bipolar Organisation

電話番号: 08456 340 540; Eメール; mdf@mdf.org.uk

双極性障害(躁うつ病)をもつ人たちによって運営されている慈善団体で、この病気を持つ人たちが自身の人生をコントロールできるようサポートします。

 

National Association for Premenstrual Syndrome

電話・ファックス番号: 0870 777 2178

月経前症候群をもつ人、その配偶者(パートナー)や家族に情報、アドバイスおよびサポートを提供している慈善団体。

 

Relate

電話番号: 0845 456 1310; Eメール: enquiries@relate.org.uk

英国で最も大きく経験のある、カップル間の関係を専門とするカウンセリングに関する団体。

 

Samaritans

電話番号: 08457 90 90 90 (英国); 1850 60 90 90(アイルランド); Eメール: jo@samaritans.org

自殺を考えるほど苦悩していたり、絶望の淵にあり、誰かと話をしたい人にサポートを提供する全国組織。あなたの地域の支部の電話番号は、電話帳に載っています。

 

SaneLine

電話番号: 0845 767 8000

こころの健康の問題を抱える人に心理的なサポートや情報を提供する、時間外電話ヘルプラインを全国的に運営しています。ヘルプラインは年中無休で午前6時から午後11時まで利用可能です。

 

Young Minds

電話番号: 020 7336 8445

全国的な慈善団体で、子どもや25歳以下の青少年のこころの健康を改善するための活動をしています。

 

Translated by Akiko Suzuki, Wakako Okeya and Dr Nozomi Akanuma. January 2013.


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