パーソナリティ障害:キー・ファクト 

パーソナリティ障害とはなんですか?

  • 「パーソナリティ」とは、個人のものの考え方、感じ方、行動をひとまとめにしたもので、その人の個性を形成するものです。
  •  たいていの場合、それぞれのもつパーソナリティでまわりの人とそれなりにうまくやっていくことができますが、人によっては、そうはいきません。
  •  パーソナリティ障害がある場合、パーソナリティの一部のために、自分自身をコントロールしたり他の人とうまくやっていくことが難しくなります。不都合をきたす部分をどのように自分で変えていけばよいのか、経験から学習することができません。

 

次のようなことが自分に当てはまると感じる場合、パーソナリティ障害があるかもしれません:

  •    新しい人間関係を始めたり維持していくことが苦手である。
  •    職場の同僚や家族、友人とうまくやっていけない。
  •    トラブルに巻き込まれてしまうことが多い。
  •    感情や行動を制御することが難しい。
  •    これらのことが原因で、不満を感じたり悩んだりしている。または、他人を怒らせたり傷つけたりする。

 

パーソナリティ障害はよくあるのですか?

およそ10人に1人の割合でパーソナリティ障害があるとみられています。

 

パーソナリティ障害は次のA、B、Cの3つの群に分けられ、それぞれの群が更にいくつかの種類に分類されます:

 

A群-「疑い深い」

  • 妄想型パーソナリティ障害
    猜疑心が強く、まわりの人が自分に対して悪意をもっていると感じます。拒絶されることに敏感で、恨みを抱きやすい傾向があります。

  • シゾイドパーソナリティ障害
    感情が乏しく、他人と関わることを嫌い、一人でいることを好みます。豊かな幻想の世界にこもっています。

  • 統合失調型パーソナリティ障害
    発想が風変わりで、論理的に考えることが苦手です。他の人からは奇異に見られます。普通でないものを見たり聞いたりすることもあります。

 

B群-「感情的で衝動的」

  • 反社会性パーソナリティ障害まわりの人の気持ちを考えず、すぐにいらいらしたり、争いごとや犯罪をおかしたりします。親密な人間関係を築くのが困難だと感じます。とっさの思いつきで行動を起こし、良心の呵責を感じず、うまくいかなかった経験から学習できません。
  • 境界性または情緒不安性パーソナリティ障害よく考えずに行動を起こし、感情を制御することが難しく、空虚感を感じます。自分のことがいやになり、しばしば自傷行為に至ります。まわりの人とすぐに親しくなりますが、長続きしません。また疑い深くなったり、気分が落ち込むこともあります。ストレスを感じると、雑音や幻聴が聞こえることもあります。
  • 演技性パーソナリティ障害出来事を芝居がかって大げさに表現し、注目の的になりたがる傾向があります。感情が激しく、また変わりやすいのが特徴です。自分の外見を気にしがちで、刺激を求めます。
  • 自己愛性パーソナリティ障害自分が非常に重要であると感じ、成功や権力、社会的地位に強いあこがれがあります。注目されることを求め、他人を利用しがちで、恩恵を受けても返すことはありません。

 

C群-「不安」

  • 強迫性パーソナリティ障害
    完璧主義者で些末なことを気にします。融通が利かないところがあるかもしれません。慎重で、決断を下すことが苦手です。高い道徳観念を持ち、他人を決めつけがちで、間違いを恐れる傾向があります。他からの批判に対する感受性が強く、思考や行動に非常に強いこだわりが見られることもあります。

  • 回避性(または不安・回避性)パーソナリティ障害
    不安や緊張が強く心配性で、自信がなく劣等感を感じます。人から好かれ受け入れられたいという思いが強く、他からの批判に対して敏感です。

  • 依存性パーソナリティ障害
    自分のための決断を他人に委ね、自分がしたいことよりも他人が自分に望むことをします。日常生活の様々な事柄を思うようにこなせず、自分が無能で役に立たないとと感じたり、すぐに他人から見捨てられたと感じます。

 

専門家による治療

専門家による治療として以下の方法が挙げられます:

  • 個人への治療
    カウンセリングや力動的精神療法、認知療法、認知分析療法、弁証法的行動療法があります。
  • 治療共同体での治療
    治療共同体というのは、数週間から数ヶ月間、通院あるいは滞在して治療を受ける場です。グループでおこなわれるケースが多く、集団の中にいることで学んでいきます。その中で意見の食い違いやうまくいかないことがあったとしても、それが「安全」な環境であるという点が実社会とは異なります。それらの問題を乗り越え経験から学習することができるよう、職員や他の参加者たちが手助けをしてくれます。
  • 薬物療法
    抗精神病薬は、A群パーソナリティ障害(妄想型、シゾイド、統合失調型)でおこる疑い深さを和らげます。また境界性パーソナリティ障害で、被害妄想があったり、雑音や幻聴がある場合にも使われます。

 

抗うつ薬は、B群パーソナリティ障害の人の気分や情緒の障害を和らげます。選択的セロトニン受容体阻害剤の一部は、C群パーソナリティ障害の不安を減らすこともできます。

 

リチウムやカルバムアゼピン、バルプロ酸などの気分安定薬は、衝動性や攻撃性を和らげます

 

治療はどの程度有効ですか?

科学的根拠ははっきりしていません。治療は通常かなり複雑で複合的であるため、治療のどの部分が実際に効果的であったのかを判断するのは困難です。また治療に関する研究は小規模・短期間なものが多く、症状の改善の度合いを正確に分析評価するには十分とはいえません。

 

どの治療法が私にとって最適ですか?

あなたがどの治療を希望するのか、どの型のパーソナリティ障害をもつのかによります。ただし、あなたの住んでいる地域で実際にどのような治療が可能であるかによっても大きく違ってきます。

 

より詳しい情報は、「パーソナリティ障害」についてのメイン・リーフレットをご覧ください。

 

このリーフレットの作成にあたり、ノーサンプトンのセント・アンドリュース精神保健慈善基金のご後援をいただきました。

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