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The Royal College of Psychiatrists Improving the lives of people with mental illness

認知行動療法 

Cognitive Behavioural Therapy

 

目的

このリーフレットは認知行動療法(Cognitive Behavioural Therapy; CBT)を多くの人によりよく理解していただくために作成されたものです。ここではCBTがどのように作用するのか、なぜ利用されるのか、その効果および副作用、そして代わりとなる治療法について説明します。またリーフレットの末尾にはさらに詳しい情報源を記載してありますので、お探しの情報が見つからないときはご参照ください。

 

 

CBT とは何ですか?

対話を通して行われる治療法のです。あなたが自分自身、世界そして他の人々についてどのように考えているのか、また、あなたの行動があなた自身の思考と感情にどのように影響しているのかについて対話します。

 

CBTはあなたがどのように物事を考えるか(認知)、またどのような行いをするか(行動)を変えるための治療法です。これらを変えることによって気分を楽にすることができます。他の様々な対話療法とは異なり、CBTが重視するのは「いま、ここにある」問題や困難です。過去の悩みや症状の原因に注目するのではなく、あなたの現在の精神状態を向上させる方法を模索します。

 

どんなときに CBT が役立つのでしょうか?

CBTは多くの異なる種類の問題解決に役立つことが明らかになっています。たとえば不安障害、うつ病、パニック障害、恐怖症(広場恐怖や社会恐怖が含まれます)、ストレス、過食症、強迫性障害、外傷後ストレス障害(Post-traumatic stress disorder; PTSD)、双極性障害および重度の精神障害などが挙げられます。怒りの制御が難しいと感じたり、自己評価が低かったり、あるいは疼痛や疲労などの身体の健康問題に悩まされている場合にもCBTが役立つことがあります。

 

 

CBT はどのように作用するのですか?

抱えきれないような大きな問題をより小さい要素に分解することによって、それらの問題を理解していきます。分解された要素がどのように互いにつながっているのか、またどのようにあなたに影響するのかを理解しやすくなります。では、どのような要素に分けられるのでしょうか:

 

  •   状況-問題、出来事または困難な状況。状況に基づいて、以下の要素が生じてきます。

 

  •   思考
  •   感情
  •   身体的感覚
  •   行動

これら各領域は互いに影響を及ぼし合います。あなたが状況をどう捉えるかが、身体的感覚や感情に影響を及ぼすのです。

 

人生におけるこれらの領域は、このようにすべてが互いに関係しあっています:「5つの領域」

 

「5 つの領域」のアセスメント

 

 

cbt main leaflet 5 areas

 

ひとつの領域に起こる変化が、他のすべての領域に影響を及ぼします。

 

ある状況に向き合う際、大抵の場合、その捉え方によってプラスの結果につながる場合とマイナスの結果につながる場合があります。あなたの考え方は、プラスになることもあれば、逆にマイナスになることもあるのです。

 

例:

 

状況:

嫌なことがあってうんざりしているので、買い物に出かける。道を歩いていると、知っている人が通りがかったが、どうやらあなたを無視したようだ。

 

 

マイナス

プラス

思考:

その人は私を無視した。つまり、私のことが嫌いなのだ。

その人は少し考え事をしているように見える。何かあったのだろうか?

感情:

落ち込む、悲しい、拒絶感。

相手のことを心配する。

身体的感覚:

胃がきりきりする、活気がなくなる、気分が悪い。

なし-快適に感じる。

行動:

家に帰り、その人を避ける。

連絡してその人が大丈夫か確認する。

 

同じ状況であるにも関わらず、あなたがどう捉えるかによってまったく異なる2つの結果が導かれました。

 

あなたの考え方が、感じ方行動に影響を及ぼしたのです。左側の欄に挙げた例では、はっきりとした証拠がないのにすぐ結論に飛びつきました。これが重要な問題なのです。なぜなら以下のことにつながったからです:

 

  •   様々な不快な感情をもった。
  •   気分がさらに沈むようなネガティブな行動をとった。

落ち込んだ気持ちで家に帰ると、あなたはおそらく既に起こってしまった出来事についてあれこれと思い悩み、さらに気分が重くなるでしょう。相手に連絡すれば、自分の気分が良くなる可能性は十分にあるはずです。

 

もし相手の人を避けてしまうと、あなたは自分に対するその人の感情を誤解したままになり、その思い込みを解く機会が得られません。あなたの気分はますます沈んでしまうでしょう。

 

この「悪循環」によって気分が落ち込んでいくのです。その上、さらに辛く感じるような新しい状況を引き起こすことさえあります。そして自分自身について極めて非現実的な(そして不快な)思い込みにとらわれ始めるかもしれません。悩んでいるときにはすぐに結論に飛びつきがちで、ものごとについて極端でネガティブな解釈をする傾向が強いからです。

 

CBTはマイナスの方向に向いてしまった思考、感情および行動の悪循環を断ち切るのに役立ちます。ものごとが展開していく際のそれぞれの要素がはっきりと見えるようになれば、それらを修正していくことができ、また、感じ方も変えることができます。CBTはそれを「自分自身でできる」ところまであなたを導く治療法です。問題を解決するための自分なりの方法を考え出せるようにするのがCBTの目的です。

 

 

CBT はどのように進められますか?

治療セッション

CBTは個人でもグループでも行うことができます。またはセルフ・ヘルプ本やコンピュータープログラムを活用して行うことも可能です。

 

イングランドおよびウェールズでは、 2つのコンピュータープログラムが国民健康保健サービス(National Health Service; NHS)の認可を受けています。Fear Fighter は恐怖症またはパニック障害がある人を、またBeating the Bluesは軽度から中等度のうつ病の人を対象にしたものです。

 

個人治療を受ける場合:

  • セラピストとのセッションを、週1回あるいは2週間に1回の間隔で通常5〜20回行います。各セッションの所要時間は30分から60分です。
  • 最初の数回(2〜4回)のセッションで、セラピストはこの種の治療があなたに適しているかどうかをチェックします。またあなた自身も治療を不快と感じないかどうかを確認します。
  • セラピストはあなたの過去の生活や背景についても質問します。CBTが重点を置くのはあくまでも現在の状況なのですが、現在のあなたにどう影響しているかを理解するために、過去について話す必要があるかもしれません。
  • 短期、中期そして長期的に何を解決していきたいのかを自分で決めます。
  • 通常セッションを始める前に、まずセラピストとその日何について話し合うのかについて確認し、互いに合意してからセッションを開始します。

 

作業

  • 上に挙げた例のように、セラピストと一緒にひとつの問題を各要素に分解します。この過程をよりスムーズに行えるように、日記をつけることを勧められるかもしれません。日記をつけることであなたの思考、感情、身体的感覚および行動のパターンがより明確になるでしょう。
  • セラピストと一緒にあなたの思考、感情および行動について、以下のポイントを考察します:
    • それらが非現実的であったり、ネガティブであったりしないか。
    • それらは互いにどう影響しあっているか、またあなたにどう影響しているか。
  • ネガティブな思考や行動をどうすれば修正できるのか、その方法をセラピストと考えていきます。
  • これからしようと思うことについて話すのは簡単ですが、実際にそれを行動に移すのはずっと難しいものです。そのため、あなたが自分で何を変えていくかを決めたら、セラピストはそれについて「ホームワーク(宿題)」をするよう勧めます。つまり、「ここを変えよう」と自分で決めたことを日常生活の中で練習してみるのです。状況に応じて、以下のことから始めてもよいでしょう:
    • 自己批判的な思考または気が動揺してしまう思考が浮かんできたら、いったん考え直し、CBTによって向上させてきたより前向きな(そしてより現実的な)思考に置き換えましょう。
    • ネガティブな行動を起こす前に、「今からしようとしていることは自分の気分をさらに落ち込ませることだ」と気づくよう心がけ、代わりにもっと前向きな行動をとるようにしましょう。
  • 各セッションでは、前回のセッション以降、あなたがどのように過ごしてきたかを話し合います。もし課題が難しすぎるようだったり、役に立っていないような場合、セラピストは新しい提案をしてくれます。
  • あなたがしたくないことをセラピストが求めることはありません。どんなペースで治療を進めるか、何を試すか試さないかを決めるのは、あなたです。すべてのセッションが終了した後でも、問題に対応する技術の練習や向上を続けられることがCBTの利点です。自分で続けることにより、あなたの症状または問題は再発しにくくなります。

 

CBT はどれくらい効果があるのですか。

  • 不安またはうつが主な問題である場合には、最も効果的な治療法のひとつです。
  • 中等度から重度のうつ病に対しては、最も効果的な対話療法です。
  • 様々なタイプのうつ病に対し、抗うつ剤と同じ程度の効果があります。

 

他にはどのような治療がありますか。 CBT とどう違いますか。

CBTは多くの状況に対して用いられています。そのため、このリーフレット上ですべてについて列挙することはできません。ここでは、最もよくみられる問題である不安障害とうつ病について、代わりになる治療法と比較します。

  • CBTはすべての人に効果があるわけではなく、別の種類の対話療法のほうが適している場合もあります。
  • CBTは多くの型のうつ病に対し、抗うつ薬と同じ程度の効果があります。不安障害の治療においては、CBTのほうが抗うつ薬よりもやや効果的かもしれません。
  • 重度のうつ病の場合、CBTは抗うつ薬と併用して行うのが望ましいでしょう。気分が極度に沈んでいる場合、まず抗うつ薬を服用して気分がよくなってからでないと、自分の考え方を変えることは困難だと感じるかもしれません。
  • 精神安定剤は不安障害の長期治療の手段として使用されるべきではありません。CBTのほうが適しています。

 

CBT の問題点

  • CBTは即効性のある治療法ではありません。セラピストはアドバイスをしたり励ましたりする個人トレーナーのような存在ですが、何かをあなたのために「する」ことはできません。
  • 気分が沈んでいるときは、集中できなかったり、やる気を出せなかったりすることもあります。
  • 不安障害を克服するためにはそれに立ち向かう必要があります。その際、一時的により強い不安を感じてしまう場合があるかもしれません。
  • よいセラピストはあなたの調子に合わせてセッションの進み具合を調整してくれるはずです。セラピストと一緒に何を行うかを決めるのはあなたです。治療の主導権はあなたが握らなくてはなりません。

 

 

治療期間はどれ位ですか?

一回のコースは6週間で終わることもあれば6カ月かかることもあります。どのような問題があるのか、また治療の効果がどのように現れているのかによって、その期間は変わります。CBTをすぐに開始できるかどうかは地域によって差があり、順番を待たなければならないこともあります。

 

 

症状が再発したときはどうすればよいのでしょうか?

不安障害やうつ病が再発するリスクは常にあります。CBTを自分で行うことができれば、もし再発しても症状をコントロールしやすくなるはずです。そのためには、調子が良くなった後もCBTの技術を練習し続けることが重要です。うつ病の再発防止には、抗うつ薬よりもCBTの方が効果的であると示唆する研究結果もあります。必要に応じて「復習コース」を受けることもできます。

 

 

CBT は私の生活にどのような影響があるのですか?

うつ病や不安障害は不快なものです。働いたり生活を楽しんだりすることが著しく妨げられるおそれがあります。CBTはこれらの症状を自分でコントロールするのに役立ちます。どうしてもCBTを継続できないという状況にならない限り、CBTがあなたの生活に悪影響を与えることはまずないでしょう。

 

 

どうすれば CBT を受けることができますか?

  • かかりつけ医に相談してみてください。CBTの訓練を受けた専門家(例えば、心理士、看護師、ソーシャル・ワーカーまたは精神科医)に紹介してくれるでしょう。
  • 英国行動認知療法協会(British Association for Behavioural and Cognitive Psychotherapies)は認定セラピストを登録しています。
  • 書籍、インターネットプログラムまたはコンピュータを利用して「セルフ・ヘルプ」を試してみるのもよいでしょう。専門家のサポートがあればより効果的です。

 

CBTを受けない場合はどうすればいいでしょうか?

あなたが抱えている問題に拠ります。以下のことができるでしょう:

  • 調子がよくなるかどうか、とにかく様子を見ましょう。もし気が変わったときには、後でいつでもCBTを希望することができます。
  • 代わりとなる治療法についてかかりつけ医と相談してみましょう。
  • CBTやその代わりとなりうる治療法についてさらに自分で調べてみましょう。
  • 専門家による治療を開始する前にどんなものか試してみたいという場合は、セルプ・ヘルプ用の本やCD を入手し、自分にとって納得のいく治療法かどうかを確かめてみましょう。

 

見方を変えましょう(CHANGE VIEW):CBT に関する10の重要なポイント

変化(Change):
あなたの思考と行動を変えましょう。
見方(View):
別の角度から物事を見てみましょう。
ホームワーク(Homework):
何度も自分で練習しましょう。
私はできる(I can do it):
セルプ・ヘルプ型アプローチ。
行動(Action):
ただ話すだけでなく、行動しましょう!
体験(Experience):
自分の考えを実践してみましょう。
何が必要か(Need):
問題を特定しましょう。
書き留める(Write it down):
進歩したことを書き留め覚えておきましょう。
目標(Goals):
目標に向かって動きましょう。
 
根拠(Evidence):
CBTの効果は科学的に証明されています。
 

 

 

CBT の役立つリンク集

 

参考図書

Overcoming」シリーズ、 Constable and Robinson

CBTの理論と概念を用いた多岐に渡るセルフ・ヘルプ本のシリーズで、一般的な各種問題の克服法について幅広くとりあげています。このシリーズには、「社会不安と内気を克服する(overcoming social anxiety and shyness)」、「うつを克服する(overcoming depression)」、「低い自己評価を克服する(overcoming low self-esteem)」などがあります。

 

CBT の無料オンライン情報:

  • MoodGYM:うつ病の予防に役立つ情報、クイズ、ゲーム、技術の練習。
  • Living Life to the Full:精神的な苦悩を抱える人とその介護者のための無料のオンライン・生活技術コース。なぜ悩みを感じるかを理解したり、考え方、行動、睡眠そして人間関係を変化させるために役立ちます。
  • FearFighter: イングランドとウェールズのかかりつけ医による紹介を受けた場合のみ、無料利用できます。

 

参考文献

 

詳しい情報に関する問い合わせ先:

Anxiety UK (formerly National Phobics Society)

月曜から金曜:午前9:15から午後9:00迄 

電話番号:08444 775 774; 0161 227 9898

E-mail アドレス:info@anxietyuk.org.uk

広場恐怖症をもつ人によって30年前に設立された、不安障害の人々のための全国的な慈善団体。

 

Depression Alliance
電話相談サービス:0845 123 23 20

E-mail アドレス:information@depressionalliance.org

うつ病をもつ人たちと、彼らを援助したいと考えている家族に対して、情報や支援および理解を提供しています。うつ病のためのセルフ・ヘルプグループのサポートや情報の提供、うつ病に関する認識を高める活動をしています。

 

 

Translated by Mariya Sasaki, Junko Yasuda and Dr Nozomi Akanuma. November 2012.


© [2012] Royal College of Psychiatrists. This leaflet may be downloaded, printed out, photocopied and distributed free of charge as long as the Royal College of Psychiatrists is properly credited and no profit is gained from its use. Permission to reproduce it in any other way must be obtained from the Head of Publications. The College does not allow reposting of its leaflets on other sites, but allows them to be linked to directly.
 

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