不安障害、パニック発作、恐怖症:キー・ファクト

不安障害とは

不安とは、人間が持つ自然な恐怖の感覚で、安全が脅かされたり困難な状況に直面した時に誰もが感じるものです。不安があることで、危険な状況を回避したり、用心深くなったり、困難に取り組もうとする意欲がわいてきたりします。ところが、その不安が強すぎると、やりたいと思っていることまでできなくなってしまいます。こういう状態になると、不安は病気と呼べるところまで発展しています。不安障害や恐怖症は珍しいものではなく、10人中1人が、一生のうちに一度はかかるとされています。

 

パニック発作とは

唐突に、何の前触れもなく押し寄せてくる不安感のことで、その場から逃げ出したいという気持ちになります。

 

恐怖症とは

恐怖症とは、他の人にとっては危険でもなんでもないような、ある特定の「状況」や「物事」に対して恐れを抱くことです。

 

不安障害、パニック発作、恐怖症の原因は何ですか?

  • 遺伝:生まれつき、他の人よりも不安を感じやすい人がいます。このような傾向は遺伝によるものだとする研究もあります。しかし、もともと不安を感じにくい人でも、強いストレスがかかると不安を感じるようになります。
  • 出来事や事件:不安の原因がはっきりしている場合、原因がなくなれば不安も消えます。しかし、交通事故や列車事故、火事など状況が非常に脅威的な場合、不安の原因がなくなったあとも不安障害が長く続くことがあります。たとえ身体的な被害がなかったとしても、その出来事のあと何ヶ月も何年も、ビクビクし、不安になるという症状が続くのです。こうした症状は外傷後ストレス障害と呼ばれています。
  • 薬物:覚醒剤、LSD、エクスタシーといった非合法薬物はすべて、不安を引き起こす可能性があります。人によってはコーヒーのカフェインでも不安になります。
  • 人生の転機:過去の辛い経験や、現在の生活における大きな変化が不安の原因になることがあります。妊娠、転職、失業、引越しなどが含まれます。

 

不安障害の症状

  • 精神面での症状:いつも心配でたまらない、疲れが取れない、いらいらする、眠れない、集中できない。
  • 身体面での症状:脈が速くなる、冷汗が出る、筋肉が緊張し痛む、震える、呼吸が荒くなる、めまい、気が遠くなる感じ、胃もたれ、下痢。

 

もともと不安なところにこれらの症状が現れると、もっと重い病気の徴候ではないかと心配になり、症状が更に悪化することもあります。

 

パニック発作の症状

突然、強烈な恐怖に襲われ、自分をコントロールできなくなる感覚に陥ります。過呼吸になり、動悸を感じ、冷汗が出て、このまま死んでしまうのではないかと思うこともあります。その場から早く逃げ出したいと感じます。

 

恐怖症の症状

ある特定の状況で、強い不安を感じます。たとえば、犬に対する恐怖症がある場合、犬が近くにいると不安になりますが、それ以外の時は問題ありません。本人はできるだけ不安を感じる状況を避けようとしますが、避けよう避けようとしているうちに、かえって恐怖症はひどくなります。さらに、特定の状況を避けることに生活のほとんどを費やすようになっていきます。実際には危険でもなんでもないということを自分でもわかっているし、怖がっていることをばかばかしいと感じることすらありますが、それでもコントロールができないのです。

 

そして、うつ状態になることもあります

不安障害とパニック発作には、多くの場合、抑うつ気分が伴います。気分が沈み、食欲が落ち、将来を悲観し絶望的な気分になります。

 

どのような治療がありますか?

自分でできること

グループや専門家とのセッション、もしくは本やCD、DVDなどを通して、リッラクス法を学ぶことができます(こちらのメイン・リーフレットを参考にしてください)。普段から練習を続けることでリッラクス法をうまく使えるようになります。これはいざという時に力を発揮します。認知療法に基づくセルフ・ヘルプ用の本やDVDも役に立ちます。

 

相談する - あまり気が進まないかもしれませんが、家族に恐怖症のことや不安な気持ちを話してみるのはよいことです。信頼し尊敬できる聞き上手な友人、家族に相談してみましょう。もしかしたらその人も同じような問題を抱えていたことがあるかもしれませんし、周りにそういう人を知っているかもしれません。

 

自助グループ - 似たような問題を抱えた人たちは、あなたの悩みをわかってくれます。そこでは楽に話すことができるでしょう。問題にどのように対処したらよいか助言してくれるかもしれません。こういった自助グループには不安障害や恐怖症に対象を絞ったもののほか、女性のグループ、子供を亡くした親のグループ、虐待体験者のグループなどもあります。

 

心理療法

心理療法とは、対話を通して行われる積極的な治療法です。不安への理解を促し、不安をコントロールできるようにしていきます。治療はグループ、もしくは一対一で行われ、通常、週一回の治療を数週間から数ヶ月間続けます。認知行動療法の形をとるのが一般的です。

 

薬物療法

抗不安薬:ジアゼパムのようなベンゾジアゼピン系薬剤(ほとんどの睡眠導入剤がこれにあたります)を指します。非常によく効きますが、依存性が高く、4週間服用を続けただけでもその傾向が見られます。そのため、これらの薬は2週間以内の内服にとどめるべきです。

 

抗うつ薬:不安症状によく効きますが、効果が感じられるまで2-4週間かかります。吐き気、眠気、めまい、口の渇き、便秘などの副作用が見られるものもあります。抗うつ薬についてのメイン・リーフレットに詳しい説明があります。

 

ベータ遮断薬:ベータ遮断薬は通常、高血圧の治療に使われますが、少量の内服で不安から生じる震えをコントロールします

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