身体疾患とメンタルヘルス
Physical illness and mental health
Below is a Japanese translation of our information resource on physical illness and mental health. You can also view our other Japanese translations.
免責事項
多くの人は、人生のどこかで深刻な、または人生を一変させるような身体疾患を発症します。疾患そのものに加え、疾患への治療も私たちの思考や感情に影響を与えます。この情報は、身体疾患が原因でメンタルヘルスに支障をきたしているすべての方、およびその人を支える方を対象としています。
身体疾患を抱える影響とは?
身体疾患を抱える、または身体疾患を発症することは人生のあらゆる方面に影響します。身体疾患があると、以下のように生活の具体的なところに支障をきたす場合があります。
- 仕事 - 仕事を辞める、仕事量を減らす、または転職する等の必要を感じるかもしれません。
- 日々の活動 - 楽しんでいる活動への参加、または友人や家族と自由に会うことが難しくなる可能性があります。以前は自力でできたことに対し、友人、家族、専門サービスの支援を必要とする場合があります。
- 金銭面 - 身体疾患があると様々な理由で金銭面を圧迫します。たとえば通院のための交通費を払ったり、あなた自身やあなたを支援する人の働く時間を減らしたりする場合があります。
- 入院 - 入院して特定の治療や手術を受ける必要が出るかもしれません。その際、自宅や普段の支援ネットワークから離れて過ごすことになります。
身体疾患があると思考や感情にも悪影響を及ぼします。
- ストレス - 身体疾患があることで、将来のことを心配したり現在の生活にストレスを感じたりするのは無理もないことです。特定の事柄に関して特に不安を感じるかもしれません。たとえば、重要な検査の結果や入院する場合の子供の世話についてです。
- 自己感覚 - 身体疾患があると、あなた自身の体や人生についての決定権が無いように感じられることがあります。 身体疾患はなかなか自分の意思でコントロールできるものではありません。そのために気が動転することやイライラすることもあるでしょう。
- 人間関係 - 身体疾患があると、孤独を感じたり、友人や家族から切り離されたように感じることがあります。友人や家族を心配させたり動揺させないように、自分の体調について話したくないと思うかもしれません。あるいは、自分が直面していることを話したくても理解してもらえないような気がすることもあるでしょう。
- 世界についての理解 - 病気を抱えることで、まわりの世界について、公平さ、正しさとは何かを疑うようになることがあります。信仰心に影響が出る人もいます。
身体疾患が原因でメンタルヘルスが悪化してしている方は、支援を受けることができます。メンタルヘルスの支援が必要な場合、身体面のかかりつけの医療従事者にそのことを伝えましょう。支援の体制がある他の専門家や機関に紹介してもらうことができます。
身体疾患がメンタルヘルスを悪化させているか見分ける方法
あなたがどんな人か、また人生で何が起きているかによりますが、身体疾患があると様々な形でメンタルヘルスに影響します。すべてのメンタルヘルスの問題を今回取り上げることはしませんが、注意すべき症状の一例は以下の通りです。
不安障害
不安障害を感じている場合、次のような症状が出ます。
- 特定のことや複数のことを常に心配している
- リラックスできない
- 心拍数の速さ、呼吸、消化機能の変化に気づく
不安による詳しい症状については、不安障害の項目をご覧ください。
うつ病
うつ病の場合、次のような症状が出ます。
- 常に、またはほとんどの時間、気分が落ち込む
- 倦怠感や落ち着きのなさが見られ、睡眠、食事、性的関心の変化に気づく
- 他の人と関わる気になれない
うつ病の詳しい症状については、うつ病の項目をご覧ください。
適応障害
身体疾患を発症したり怪我をした時に心配、苦痛、動揺を感じるのはごく自然なことです。難しい状況や不確実なことへの「普通の反応」といったものはありません。
しかしながら、ストレスの多い出来事やその連続に「適応」することが困難な場合は「適応障害」かもしれません。
適応障害の場合、次のような症状が出ます。
- 身体疾患について、また身体疾患があなたにとって何を意味するのか考えるのを止めることができない
- 身体疾患のことを考えると非常に強い心配や苦悩を感じる
- 状況にうまく対処できなかったり、生活の様々な面で問題となる行動をとる
適応障害の場合、病気と診断されたりけがをしてから通常1ヶ月以内に症状が現れます。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
身体疾患を発症したりけがをした人の中には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱えるようになる人もいます。PTSDは、特定の出来事や一連の出来事に対する心理的な反応として起こります。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因となりうる出来事の一例には以下のようなものがあります。
- 深刻な身体疾患の診断を受ける
- 集中治療室に運ばれる
- 難産を経験する
- 深刻な事故に遭う
心的外傷後ストレス障害(PTSD)があると、次のような症状が出ます。
- その出来事の苦悩を与える記憶を意図せず思い出したり悪夢を見る
- その出来事が再び起こるように感じる
- 出来事を思い出せない、またはそれについて考えるのを避ける
- 友人や家族から切り離されたように感じる
- 自分、他者、または世界に対して否定的な感覚を持つ
- 好きなことを楽しめなくなり、幸福感や満足感を感じない
- 気が張りつめて集中できない、または眠れない
- 他者に攻撃的になる
- 危険、または無謀な行動をとる。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。
適応障害
身体疾患を発症したり怪我をした時に心配、苦痛、動揺を感じるのはごく自然なことです。難しい状況や不確実なことへの「普通の反応」といったものはありません。
しかしながら、ストレスの多い出来事やその連続に「適応」することが困難な場合は「適応障害」かもしれません。
適応障害の場合、次のような症状が出ます。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。
調子の悪いことへの気づき
何らかのメンタルヘルス疾患がある場合、周囲の人は以下のような兆候に気づくことがあります。
- 普段と違う行動をとる
- 身体疾患の治療を受けたがらない、もしくは薬を飲みたがらない
- 診察に行き忘れる
上記に加え、次のような兆候が現れる場合があります。
- 倦怠感がある
- 眠れない
- 食欲がない
上記の症状は身体疾患やその治療が原因の場合もあります。そのため、あなたや周りの人にとって、それが「普通のこと」なのか判断しづらいかもしれません。
体調について医師や信頼できる人に相談しましょう。今現れている症状の背景にあるのが身体疾患なのか、メンタルヘルスの問題なのか一緒に整理してくれます。
その他のメンタルヘルスの問題に関する詳しい情報はこちらをご覧ください。
身体疾患があるとメンタルヘルス疾患を発症しやすいのか
身体疾患のある人全員がメンタルヘルスの問題を抱えるわけではありません。しかしながら、長期にわたる身体疾患を抱える人は、メンタルヘルスが悪化しやすくなります。以下のような特定の身体疾患とメンタルヘルス疾患が関連することが研究で分かっています。
- がん
- 糖尿病
- 喘息
- 高血圧
- てんかん
ただし、メンタルヘルスを悪化させうる身体疾患は上記だけとは限りません。
長期にわたる身体健康疾患を抱える人は、身体の健康状態が良い人より、うつ病を発症するリスクが2〜3倍高くなります。
身体の健康とメンタルヘルスはどう関連しているのか
身体疾患とメンタルヘルス疾患が互いにどう関連しているかは、必ずしも明らかになっていません。
あなたがどんな人か、また抱えるメンタルヘルス疾患の種類によって、次のような場合があります。
- 身体疾患が原因でメンタルヘルス疾患を発症する
- 身体疾患とメンタルヘルス疾患が互いに関連している
- 互いに関連していなくても、身体疾患とメンタルヘルス疾患を同時に抱えている
メンタルヘルスを悪化させる直接の原因となるものもあります。
- ストレス - 身体疾患があると大きなストレスとなります。ストレスはメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。
- 薬物治療 - 薬物治療によっては、脳のはたらきに影響を及ぼすものがあります。たとえば、ステロイド剤は気分の変化や精神病症状を引き起こすことが分かっています。精神病症状には次のようなものがあります。
- 誤ったことを信じてしまう
- 思考がまとまらない
- 存在しないものを見たり聞いたりする
- 身体疾患 - 身体疾患によっては、脳のはたらきに影響を及ぼすものがあります。たとえば、甲状腺機能が低下している人(甲状腺機能低下症)はうつ病や不安障害を発症するリスクが高くなります。
メンタルヘルス疾患を最も発症しやすい時
次の場合、身体的に病気になるとメンタルヘルスが悪化する可能性が高くなります。
- 以前にメンタルヘルスで問題を抱えたことがある、または以前にメンタルヘルス疾患と診断されたことがある
- 病気について話せる家族や友人がいない
- 人生に同時にその他の問題やストレス要因が起こっている。たとえば、失業、離婚、愛する人の死など。人生における前向きな変化であっても、それが予期せぬものやストレスの多いものであれば、メンタルヘルスに悪影響を与えることがある
- 身体疾患により大きな痛みが引き起こされている
- 末期または生命を脅かす病気を患っている
- 病気により、身の回りのことができない
メンタルヘルスが悪化する可能性が最も高いのは次のようなときです。
- 初めて病気のことを告げられたとき
- 大手術を受けた後、または治療に不快な副作用がある場合
- 気分が良くなったように見えた後に病気が再発した場合。例えば、がんが再発した、または二度目の心臓発作を起こしたなど
- 治療に反応しなくなった場合
助けを求めるべきとき
身体疾患がある場合、ある程度の不安障害や気分の落ち込みは当然のことです。ただし、次の場合は助けが必要です。
- 以前にメンタルヘルスに苦しんだことがある、またはメンタルヘルス疾患と診断されたことがあり、再び具合が悪くなったと思う
- 以前より具合が悪い
- 時間が経っても良くならない様子である
- 人間関係、仕事、興味、日常生活に気持ちが影響を与えていることに気づいている
- 人生を生きる価値がないと感じたり、あなたがいないほうが他の人は喜ぶだろうと感じたりする
助けを求めるかどうか決められない
身体疾患があると、助けを求めるのが難しい場合があります。たとえそれが真実ではなくても、次のような考えを持つのは正常な反応です。
- 「私は身体の健康に集中しなければならない。メンタルヘルスはそれほど重要ではない。」 – メンタルヘルスと身体の健康は関連しています。精神的に良好であれば、身体の健康にも良い影響を与えます。
- 「他に焦点を当てるべきことがある。」 – 家族、経済、住居、仕事を優先する必要があると感じる場合があるでしょう。しかし、自分自身のメンタルヘルスに焦点を当てる時間をとらないと、非常に具合の悪くなることがあります。そうなると、これらの重要なこともできなくなります。
- 「もちろん、私は意気消沈している。病気なのだから。そのために助けを求めても意味がない。」 – あなたがメンタルヘルスに問題を抱えていることは十分に理解できます。ただし、それはあなたが助けを受ける資格がないという意味ではありません。誰もが幸せを感じ、サポートされ、大切にされていると感じる権利があります。
- 「恩知らずだと思われたくない。医療チームは私を助けるためにたくさんのことをしてくれている。」 – 医師はあなたの身体の健康だけでなくメンタルヘルスについても知りたいと思っています。すべてあなたの健康を維持するための一環であり、サポートを求めるあなたを恩知らずだとは思いません。
支援を得る方法
まずは信頼できる人に自分の気持ちを話すことから始めてみましょう。自分の気持ちを共有することは、それだけでメンタルヘルスに良い影響を与える可能性があります。
さらにサポートが必要な場合は、一般開業医(GP)または身体疾患の治療を担当している医療チームに相談してください。あなたが利用できるサポートの種類についてアドバイスし、それを利用できるよう支援してくれます。
身体疾患を抱えて生きる人々をサポートする慈善団体や団体がたくさんあります。これらの詳細については、このリソースの最後で確認できます。
すでにメンタルヘルスチームのケアを受けている場合は、身体疾患を患った場合にもそのことをチームに伝える必要があります。あなたをサポートするのに、そのことを知ることが役立ちます。
受けられる治療の種類
提供される治療の種類は以下によって異なります。
- あなたが抱えている問題
- それらがあなたの人生に与えている影響
- あなた個人的な状況
対処している問題に応じて、次のような提案がなされる場合があります。
認知行動療法(CBT)は、痛みを抱えて生活している人々に役立つことも示されています。
以下の症状の治療法について詳しくは、当社の情報リソースをご覧ください。
さまざまなメンタルヘルス疾患とその治療法について詳しくは、こちらをご覧ください。
これらの治療法がどう役立つか
トークセラピー
たとえ親しい家族や友人であっても、自分の気持ちを表現するのは難しい場合があります。心配をかけたくないと、よく知っている人に自分の気持ちを伝えるのがさらに難しい場合があります。
このため、専門家に相談するほうが簡単になることがあります。これは、感情、思考、現実的な問題にうまく対処する方法を見つけるのに役立ちます。
悩みを話せるようになるだけで、トークセラピーを開始するとすぐに気分が良くなることに気づくかもしれません。あるいは、気分が良くなるまでにさらに時間がかかるかもしれません。
薬剤による治療
これは、投与されている薬剤の種類、および受けているその他のサポートによって異なります。
一般に、薬剤による治療は、気持ちを改善して、生活の中で前向きな変化が生まれるようにするためのものです。どのような種類の薬剤でも、効果が出るまでには通常少し時間がかかり、医師の処方に従って服用する必要があります。
睡眠、食欲、身体の痛みに悩んでいる場合には、薬剤が役立つこともあります。薬剤がどのように役立つかについては医師にご相談ください。
身体疾患で薬を服用しながら、メンタルヘルス疾患の薬剤も服用できるのか
身体疾患がある場合は、すでに薬剤を服用しているかもしれません。その薬剤と一緒に服用すべきでないかどうかは、医師が判断します。また、注意すべき副作用があるかどうかも教えてくれます。
すべての薬剤にはある程度の副作用がありますが、通常は軽度であり、しばらく薬を服用しているとなくなる傾向があります。自分に起きた身体的または感情的な変化を医師に伝える必要があります。
自分でできること
専門家の助けを求めるだけでなく、自分自身でできることもたくさんあります:
他の人に話す
恐れや心配事を周りの人々と共有しましょう。これまでにもサポートしてくれている、聞き上手な人に相談してください。
医師に相談する
自分の病気について、恐れずに担当医や一般開業医(GP)に質問してください。病気やその治療法について不明な点がある場合は、説明してもらいましょう。
サポートを得る
さまざまな慈善団体や組織が信頼できる情報とサポートを提供してくれるでしょう。あなたと同じ身体疾患を抱えて生活している他の人と話したり、ピアサポートにアクセスしたりすることもできるかもしれません。
経済的支援を申請する
身体的またはメンタルヘルス疾患がある場合は、給付金やその他の経済的支援を受ける権利がある場合があります。
健康的な食事をする
バランスの取れた食事を心がけましょう。体重を減らしたり、不健康な食べ物を食べたりすると、身体的およびメンタルヘルスに悪影響を与える可能性があります。バランスの取れた健康的な食事の内容は、摂食障害がある場合には異なります。
定期的な運動
可能であれば、定期的に運動するようにしてください。散歩に行ったり、10分間の軽いヨガをしたりといった簡単なもので構いません。
バランスを維持する
頑張ること、そして休むことにバランスをとるようにしてください。
自分にとって良いことをする(セルフケア)
リラックスできる楽しいアクティビティを一日の中に組み込みましょう。友人と電話をしたり、庭で本を読んだり、何でも構いません。
飲みすぎを避ける
アルコールは長期的にメンタルヘルスに悪影響を与える可能性があるため、飲みすぎないように注意してください。
娯楽目的の薬物の摂取を避ける
薬物はメンタルヘルスに悪影響を及ぼす可能性があり、他の薬剤を服用している場合は特に危険になります。当Webサイトでは、さまざまな医薬品に関する情報とサポートを記載しています。
自己治療
身体的またはメンタルヘルスの問題に対処するためにアルコールや薬物を使用する人もいます。これは「自己治療」と呼ばれることがあります。短期的には効果があるかもしれませんが、時間が経つとより調子が悪くなります。困難な感情に対処するために薬物やアルコールを使用している場合は、医師に相談してください。
十分な睡眠をとる
良好な睡眠パターンを守るようにしてください。質の高い睡眠に関する情報にあるヒントをお読みください。
薬剤を服用する
医師に相談せずに、薬剤の服用を中止したり、服用量や服用時間を変更したり、他の治療法を試したりしないでください。薬剤に不快な副作用がある場合は、医師に伝えてください。
健康診断に行く
特定の身体的またはメンタルヘルス疾患がある場合、または特定の薬剤を服用している場合は、一般開業医(GP)または専門医による定期健康診断を受けるようにしてください。必ずこれらの病院に行き、新たな身体的またはメンタルヘルスの症状が出た場合は、一般開業医(GP)または専門家に知らせてください。問題が悪化する前に、あなたを治療している人々により発見してもらえます。
他の人の支援方法
メンタルヘルスの不調に陥っていることに、友人や家族が最初に気づくことがよくあります。知人の症状に気づいた場合は、以下を行ってください。
- 支援を求めるよう優しく励ます
- 支援があれば良くなる可能性が高いことを説明する
- 支援を得ることは弱さの表れではないことを説明する
さらにサポートするためにできることがいくつかあります。
- 一緒に時間を過ごす – メンタルヘルスが悪化している人と一緒に時間を過ごすことは有益です。自分の気持ちについて話し、普段行っていることをいくつか続けるよう優しく励まします。
- 安心してもらう – 時間とサポートがあれば、メンタルヘルスは改善できるということを知らせて安心してもらいます。本人がそれを確信できない場合もあります。
- 健康的なライフスタイルを奨励する – あまりプレッシャーをかけずに、よく食べ、よく眠り、飲みすぎを避け、薬剤を服用するよう促してください。食事を作ったり、アルコールの関係しないアクティビティを一緒に行ったりすることで、支援できます。
- 良い聞き手になる – 病状や治療についての心配、質問について、話してくれて良いと伝えることが支援になる場合があります。
- 警告サインに注意する - 次のような場合は、真剣に受け止め、医師に相談するよう勧めてください。
- 悪化しているように見える
- 生きたくと言い始めた
- 自分自身を傷つけたり、その可能性を示唆している
ケアをする側が受けられるサポート
身体と精神の双方で病気になった人のケアは、非常に困難なものとなります。自分自身に気を配り、自分の健康やウェルビーイングに焦点を当てることも忘れがちとなります。
他の人をケアしている場合、ケアを評価してもらうと、あなたとケアしている人にどのような支援があるかを見極めることができます。これにより、ケアラーとしての役割が楽になります。評価の取得について、詳しくはNHSのWebサイトをご覧ください。
また、Carers TrustのWebサイトでは、ケアラーが利用できるヘルプとサポートについて詳細が記載されています。
メンタルヘルス疾患のある人のケアに関するリソースには、次のような情報が含まれています。
- ケアラーになることが意味するもの
- 患者とケアラーの権利
- 誰かを擁護する方法
- 自らをケアする
- ケアラーが利用できる手当
- 医療および社会的ケアの専門家がケアラーと患者を効果的にサポートする方法
診断できない病気や痛みを抱えた中での生活
診断の出来ない病気や痛みを抱えながら生きている人もいます。これは「医学的に説明できない症状」としても知られており、医師が、患者の抱える症状の物理的原因を見つけることができない場合です。
病気や痛みとともに生きるという通常の困難に加えて、問題の原因がわからないことにより、次のような理由で困難が伴います。
- 病気や痛みとともに生きるという通常の困難に加えて、問題の原因がわからないため、さらに気持ちが滅入ります。
- 治療を受けるのが辛いと感じるかもしれません。
- 診断が下れば、経験している症状に名前がつくため、他の人に説明しやすくなります。これがないと、信じてもらえる、あるいは認められていると感じることができない人もいます。
- 効果のない治療法を試してしまうかもしれません。これにより、気持ちが動揺したり、他の身体健康疾患を引き起こしたりすることになります。
これらはすべて、特に長期間、診断が下されないままになっていると、メンタルヘルスに悪影響を与えかねません。
ですが、医学的に説明できない症状を抱えている本人や周りの人には、支援が用意されています。これには次のようなものがあります。
- 抗うつ薬などの薬剤
- https://www.rcpsych.ac.uk/mental-health/treatments-and-wellbeing/psychotherapiesCBTなどの心理療法
- ペインクリニック
- ピアサポートグループ 。同じ症状を持つ他の人々と出会うことができます。
医学的に説明のつかない症状の治療とサポートについて詳しくは、大学のWebサイトをご覧ください。
その他の支援
支援を行う組織
身体疾患のある人々に支援を提供するさまざまな慈善団体や組織が数多くあります。ここにすべて挙げることはできませんが、英国で最も一般的な病気を持つ人々をサポートする慈善団体に関する情報を含めました。
さらに慈善団体を見つけるには、慈善委員会一覧をご利用ください。
ヘルプライン: 0300 222 5800
Asthma + Lung UKは、肺疾患を抱えて暮らす人々にヘルプライン、健康上のアドバイス、サポートグループを提供しています。
Bowel Cancer UK は、大腸がんに苦しむ人々に情報とサポートを提供しています。これには、診断、健康に関するアドバイス、サポートイベント、オンラインコミュニティ、小冊子、ファクトシートなどのサポートが含まれます。
ヘルプライン: 0808 800 6000
電子メール: hello@breastcancernow.org または看護師への質問フォームをご利用ください
Breast Cancer Nowは、乳がんに苦しむ人々にサポートと情報を提供します。これには、専門看護師によるヘルプライン、がんに関するライブセッションと情報、サポートアプリ、オンラインフォーラムが含まれます。
ヘルプライン:0345 123 2399
Email: helpline@diabetes.org.uk
Diabetes UKは、糖尿病とともに生きるあらゆる側面に関して、専門家の情報とアドバイスを提供しています。
ヘルプライン: 0300 330 3311
Email: hearthelpline@bhf.org.uk
British Heart Foundationは、心臓と循環器の状態、検査、治療に関する情報を提供しています。
ヘルプライン: 01420 541 424
Email: info@kidneycareuk.org
Kidney Care UKは、患者向け補助金、休暇補助金、カウンセリングや権利擁護サービスなどを提供する腎臓患者の支援慈善団体です。
ヘルプライン: 0800 652 7330
Email: helpline@britishlivertrust.org.uk
British Liver Trustは、看護師主導のヘルプライン、サポートグループ、肝疾患やがんとともに生きるための実践的なサポートを提供しています。
ヘルプライン: 0300 123 0789
Email: help@painconcern.org.uk
Pain Concernは、痛みとともに生きる人々をサポートし、ヘルプライン、フォーラム、自己管理ツールを提供しています。
ヘルプライン: 0808 800 0303
Parkinson's UKは、パーキンソン病患者とその介護者へのサポートを提供しています。
ヘルプライン:0800 074 8383
Prostate Cancer UKは、専門看護師によるヘルプライン、出版物、オンラインサポート、1対1のサポートなど、前立腺がんとともに生きる人々へのサポートと情報を提供しています。
ヘルプライン: 0303 3033 100
Email: helpline@stroke.org.uk
Stroke Associationは、脳卒中患者にヘルプライン、サポートグループ、オンラインコミュニティを提供しています。
Shout
SMS:85258
Shoutは、不安、ストレス、うつ病、自殺願望、またはすべてに対応できなくなった英国在住の人々のための、無料の部外秘テキストサポートサービスです。
参考文献
- The Happiness Trap, Dr Russ Harris
- Body keeps the score; Brain, Mind and Body in the healing of Trauma, Bessel Van Der Kolk
- Maybe you should talk to someone:The workbook:A toolkit for editing your story and changing your life, Lori Gottlieb
その他のリソース
- Mood zone: unhelpful thinking、NHS Choicesの事業の一部で、Chris Williams博士による音声ポッドキャスト。
- Staying Safe – このWebサイトは、精神的に苦しみ、自殺願望を抱いている人々をサポートすることを目的としています。これにはビデオと「安全計画」シートが含まれています。
- Emotional distress in South Asian men with long term conditions - YouTube – このビデオは、健康上の問題のに苦悩する南アジア人男性を対象としたもので、利用可能な支援について説明しています。
クレジット
この情報は英国王立精神医学院のパブリック・エンゲージメント編集委員会(PEEB)により制作されたものです。執筆時点での利用可能な最良のエビデンスを反映しています。
専門家執筆者:Dr Sanjukta Das
ご要望があれば、引用文献をお送りします。
This translation was produced by CLEAR Global (Feb 2024)