親が精神疾患を患っている場合

When a parent has a mental illness

Below is a Japanese translation of our information resource on when a parent has a mental illness. You can also view our other Japanese translations.

ここでは、精神疾患とは何か、精神疾患を患う親を持つことがあなたにとって何を意味するのか、利用できるサポートについて説明します。また、学校や精神衛生の専門家が若者を支援するための情報も含まれています。

精神疾患とは

精神疾患(心の健康に関する状態、あるいは精神衛生上の問題とも呼ばれる)とは、人の考え方、感じ方、行動に影響を及ぼす健康状態のことです。

精神疾患には、うつ病不安障害精神病などがあります。また、拒食症や過食症のような摂食障害も含まれます。アルコールや違法薬物に依存するような依存症も精神疾患です。精神疾患には誰でもかかる可能性があります。精神衛生慈善団体「Mind」によると、毎年4人に1人が精神衛生上の問題を経験します。

精神疾患を患う親を持つことの影響

精神疾患を患う親を持つ若者が多くいます。典型的な30人の教室の場合、平均して8人の子どもが、精神衛生上の問題を抱える親を持っています。

精神疾患を患った親は、ほかの親はしない、次のようなことをするかもしれません。

  • 薬剤を飲む、セラピーに通う、医師と面談する
  • 買物や掃除などに他者からの助けを必要とする
  • 通院や入院に時間を費やす

精神疾患を持つ親が、もう片方の親など成人からサポートを受けている家庭もあります。しかし、仕事の多くを未成年が自主的に担当する家庭も中にはあります。このような仕事を行う人はケアラーと呼ばれます。ケアラーは、同年代の人よりも多くのことをしなければならないことや、同年代の人がする必要のないことをしなければならないことがあります。ケアラーであることの影響や、ケアラーが得られる支援について、さらに詳しい情報をこの資料の後半で説明しています。

人々が精神疾患にかかる理由

精神疾患を患う理由は一つではありません。ある人の人生に起こったさまざまなことが、精神疾患の背景にあることもあります。以下のようなことが含まれます。

  • ライフイベント - 大切な人との死別や失職など、とても悲しい、怖い、または困難なこと
  • 身体の健康 - 身体健康疾患が精神疾患を発症させたり、精神疾患を悪化させたりすることがあります。
  • 困難な幼少期 - 精神疾患を持つ人の中には、非常に困難な子供時代を過ごし、ひどい扱いを受けた人がいます。困難な子供時代を経験すると、精神疾患を発症するリスクが高まります。
  • アルコールや薬物の使用 - 酒や薬物の常用者は、精神疾患を発症しやすいです。すでに精神疾患を患っている人が気分を良くするために薬物やアルコールを使用することもありますが、これは長期的には状況を悪化させる可能性があります。
  • 遺伝 - 精神疾患を患っている家族がいる人は、精神疾患を発症する可能性がほかの人よりも高くなります。しかし、家族に精神疾患を持つ人がいるからといって、自分が必ずしも精神疾患になるわけではないことを知っておくことが大切です。

このような背景がなくても精神疾患を発症することもあります。

あなたがケアラーである場合

精神疾患にかかる親を持つ若者の多くは、親の世話にたくさんの時間を費やすことになります。ある調査によると、英国では最大6万人の子供が精神疾患を持つ親の世話をしています。

ヤングケアラーであることは大きな責任を伴うため、あなたはストレスやプレッシャーを感じているかもしれません。世話の責任を負うことで、学校で集中できなくなったり、友達と過ごす時間が減ったりするかもしれません。

同時に、ヤングケアラーであることはポジティブな経験になることもあります。ヤングケアラーの中には、責任を負うことを通じて、自立性、生活スキル、経験が得られると感じている人もいます。多くのヤングケアラーは障害や病気を深く理解しているほか、世話を行っている相手を含む、家族との強い絆を持っています。

あなたのためにたくさんのリソースやサポートが提供されているほか、学校や先生も支援を行ってくれるはずです。

  • Carers Trust, being a young carer - ヤングケアラーであることについての情報です。
  • Carers Trust, getting support if you are a young carer- 各地域で受けられるサービスや、あなたの支援になるリソースや慈善団体についての情報です。
  • Me We - ヤングケアラーによるヤングケアラーのためのデジタル小冊子です。
  • Our Time - 精神疾患を患っている親を持つ子供のための支援、情報、活動を提供している慈善団体です。

専門家向けの情報

精神疾患を患っている親を持つ若者のサポートは、若者とその家族に良い影響を与える可能性があります。残念なことに、若者やヤングケアラーが行っている親の世話がメンタルヘルスの専門家に見落とされることがあります。

これは意図的であることはまれで、親の生活や世話においてヤングケアラーが担っている役割の重要性に対する認識不足が原因であることがほとんどです。専門家は若者の話に耳を傾け、彼らの親の世話について議論する際には情報を提供することで、次のようなことを理解できる可能性があります。

  • 親の病気に関する過去の出来事
  • 病気の改善や悪化につながった要因
  • 薬剤や治療の状況
  • 心の健康に影響しているかもしれない他の状況

専門家はこれらのことを念頭に置きつつ、必要かつ適切であれば、親の世話に関する重要な情報をヤングケアラーに共有することも検討すべきでしょう。これには以下が含まれます。

  • 薬剤の変更
  • 薬剤の服用方法や服用時間
  • 注意すべき副作用
  • 精神衛生担当チームへの連絡方法

ヤングケアラーの役割を認識しないと、若者の心の健康に悪影響を及ぼす可能性さえあります。親の世話を検討する際にヤングケアラーを考慮することは非常に重要です。

世話の責任が若者に与える影響もまた、よく見過ごされます。英国では、ヤングケアラーは定期的なアセスメントを受け、世話を行う能力や、ケアラーとしての役割が自分に及ぼしている影響を確認することが法律で定められています。

学校向けの情報

精神疾患がある親を持つことは、若者に大きな影響を与える可能性があります。親の世話をしている若者達は、感情面と精神面での焦燥を募らせる危険性がより高くなる傾向にあります。

若者向けの精神衛生慈善団体「Young Minds」によれば、精神疾患を患っている親を持つことは、次のように、若者にさまざまな精神的負担をもたらすことがあります。

  • 何が起こっているのか理解できない
  • 精神衛生の問題が自分のせいではないかと心配する
  • 服薬や身の回りの世話について親を助けなければならない
  • 親の感情の動きを予測する
  • 親が激しく怒ったり悲しんだりした際に怒鳴られる
  • 親が自傷行為や自殺をするのではないかと恐れる
  • 親の自傷行為、薬物の摂取、飲酒を目撃する
  • 親が働けない場合、お金の問題を心配する
  • 親の面倒を見る必要があると感じたときに学校を休む
  • 親が入院したり家の世話ができなくなったりした場合に、自分が親から引き離される
  • 若者自身が世話や面倒をみてもらえない
  • 保護施設への入所を恐れる
  • 兄弟の世話をしなければならない

精神疾患がある親を持つすべての若者が自分自身をケアラーとみなすわけではありませんが、そのような若者であっても、世話の義務を果たしたり、親の世話に多くの時間を費やしたりする可能性があることを念頭に置くことが重要です。

教師向けのリソース

著作権

英国王立精神医学院の子どもと家族の公共関与編集委員会(Child and Family Public Engagement Editorial Board: CAFPEB)および国立精神衛生協力センター(National Collaborating Centre for Mental Health: NCCMH)が改訂しました。

専門家執筆者:ロズウィータ・ダランパル博士

この資料は、執筆時点で利用可能な最良のエビデンスを反映しています。

ご要望により、この資料のすべての参考文献をご利用いただけます。

発行年月:  2022年8月

閲覧期限:  2025年8月

© Royal College of Psychiatrists

This translation was produced by CLEAR Global (May 2024)

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