精神病
Psychosis
Below is a Japanese translation of our information resource on psychosis. You can also view our other Japanese translations.
免責事項
精神病とは、人の思考や感情が劇的に変化し、症状と現実を区別できなくなる状態を指す用語です。この情報リソースは精神病について解説したものです。本書では、精神病とは何か、なぜ発症するのか、どのように治療されるのか、そして他の精神疾患や身体疾患とどのように関連しているのかを解説しています。
精神病とは何ですか?
精神病とは、一連の症状を表す用語です。精神病を患っている人は、思考や感情が劇的に変化するため、何が現実で何がそうでないのかを区別することが難しくなります。
精神病は多くの人が考えているよりもはるかに一般的であり、発症した本人にとっては非常に恐ろしいものであり、周囲の人々にも苦悩を与える可能性があります。しかし、支援やサポートは利用可能です。
精神病の症状にはどのようなものがありますか?
妄想
妄想とは、本人にとって非常に現実的な考えのことです。しかし、恐らく友人や家族など、他の人々には理解されなかったり、意味が通じなかったりするでしょう。これらの妄想は、次のような確信を持つことによって生じる可能性があります。
- 自分が実際よりもはるかに力があり、重要で、裕福で、有名な人物だと考えます。例えば、自分が皇族の一員だと思い込むことがあるかもしれません。
- 物事は自分と自分の人生に繋がっています。例えば、テレビやラジオに出ている人たちが、自分とコミュニケーションを取っている、あるいは自分だけに宛てたメッセージを送っている、と考えることがあるかもしれません。
- 監視されている、危害を加えられている、あるいは誰かが自分に対して陰謀を企てています。例えば、政府が電話を盗聴しているのではないかと考えることがあるかもしれません。
あなたはこうした考えを表明したり、他の人に伝えたりするかもしれません。あるいは、こうした考えに関連する行動、例えば、自分を傷つけていると感じる人から身を隠すといった行動をとるかもしれません。
こうした信念は、あなたの宗教や文化によって簡単に説明できるものではありません。
幻覚
幻覚とは、他の人には体験できないことを自分だけが体験する状態のことです。これは、実際には存在しないものを聞いたり、見たり、感じたり、匂いを嗅いだり、味わったりすることを指す場合もあります。
最も一般的な幻覚は、聴覚幻覚です。ここでは、他の人には聞こえない音、声が聞こえます。これらの声は、頭の中で聞こえるというよりは、誰かが耳元で、後ろから、あるいは遠くから話しかけているように感じられることが多いです。時には、その声があなたに直接話しかけてくることもあれば、声同士であなたのことを話していることもあるでしょう。あるいは、両方の場合もあります。
自分の考えが声に出して「放送」されているように感じたり、他の人がそれを聞いていると思うこともあるかもしれません。
時には、妄想が幻覚を「説明」するのに役立つこともあります。例えば、自分の悪口を言う声が聞こえる場合、隣人が自分に危害を加えようと企んでいるという妄想を抱くようになるかもしれませんが、実際に耳にしているのはこうした幻聴なのです。
幻聴は人によって聞こえ方が異なります。恐ろしい声、威圧的な声、あるいは不快な声が聞こえる人もいます。もっと「中立的」な声が聞こえたり、中には慰めや安心感を与える声が聞こえる人もいます。最初は比較的穏やかで友好的な声が聞こえていても、時間が経つにつれて、より不快で不安を掻き立てる声に変わるという人もいます。
思考がまとまらない
思考がまとまらないと感じている場合、
- 考えやアイデアが混乱していて、支離滅裂のように思えるかもしれません
- 他の人はあなたの言っていることを理解しずらいと感じるかもしれません
- 場合によっては、あなたの話し方が混乱しすぎて、全く何を言っているのか分らないこともあります。
自分が影響を受けている、あるいは支配されていると感じる
次のように非常に強く感じるようになるかもしれません。
- 例えば、マイクロチップや衛星など自分の思考、感情、行動が、誰かまたは何かに影響を受けたり、コントロールされたりしている
- 自分の思考は、誰かまたは何かによって自分の心に植え付けられたり、取り除かれたりしている
- 思考が自分の心から発信され、他の人がその内容を把握できるようになっている
周囲の人々を疑うようになり、他人を信頼することが難しくなるかもしれません。あるいは、神、悪魔、精霊、宇宙人といった外部の力に操られていると信じるようになるかもしれません。
たとえ周囲の人々が、それが現実ではないと思っても、あなたにとってはそれらの経験は現実のように感じられるでしょう。
これらの症状が常に現れるとは限らないことに留意することが重要です。症状は時期によって異なり、その程度も様々な要因によって多かれ少なかれ変化するでしょう。例えば、妄想を経験した後に、幻覚も出てくるかもしれません。そのため、自分が体調不良であることに気づきにくくなることがあります。
精神病を患っている場合、上記のような症状が現れていることに気づきにくい場合もあります。このため、残念ながら、助けを求めるのが難しくなることがあります。
妄想と現実を区別する
あなたが妄想を抱いていることを、他の人が理解するのは難しいかもしれません。これは特に、あなたの生活の中に妄想と関連する事柄があったり、あなたの妄想が現実の出来事に基づいている場合に当てはまります。具体的には、次のようなものがあります。
宗教
あなたが宗教を信仰しているなら、祈りを通して神と対話できると信じることは、信仰上、ごく普通のことかもしれません。しかし、こうした信仰がより強烈になったり極端になったり、あるいは他者との関係に影響を与え始めたりする場合は、体調不良の兆候かもしれません。
雇用
妄想と関連がある仕事をしている場合、周囲の人々はあなたが妄想を抱いていることに気づきにくいかもしれません。例えば、政府機関や軍隊などで機密情報を取り扱う仕事をしていて、監視されているという妄想を抱いている場合などです。
私生活
私生活で支配されたり監視されたりすることにつながる出来事が起こった場合、例えば、虐待を受けていたりする場合です。自分が尾行されている、あるいは操られているという妄想を抱くようになると、周囲の人があなたの体調不良に気づくまでに時間がかかる可能性があります。
妄想を抱いている場合、思考や考えは通常よりも極端になり、おそらく他人からは奇妙に、あるいは普段のあなたらしくないと思われることでしょう。
精神病とはどのような感覚なのでしょうか?
精神病を経験したことのない人にとって、それがどのようなものかを理解するのは難しいかもしれません。精神病を経験した方々が、快くご自身の体験談を共有してくださいました。
「病院の駐車場に座っていたのですが、まるで自分が巨大な空洞の球体の中にいるような感覚でした。見えていたのは、球体を構成する濃い灰色と黒のジグソーパズルのピースだけでした。それが外側に向かって落ち始め、私は真っ暗な虚無の中に残されました。私は恐怖で身がすくみました。まるで世界が崩壊し、この世の終焉を迎えたかのようでした。」Debra
「埠頭が見えて、船の名前のいくつかがほとんど読み取れたんです。重度の精神錯乱状態に陥っていて、船やクレーン、埠頭に触れようとするかのように、窓から手を伸ばしました。」Michael
「ひどい痛みを抱えていると感じていたものです。これは妄想ではなく、感覚的な幻覚でした。実際に感じることができたのです。幻聴が聞こえる間も痛みは続いており、それが私の症状に現実味を与えているように感じられました。恐ろしい考えが頭をよぎると同時に、頭痛が起こることがよくありました。」Mark
精神病は他の精神疾患とどのように関連しているのでしょうか?
精神病とは、一連の症状を表すために用いられる用語です。これは総称でもあります。さまざまな症状の人々が、以下のような精神病の症状を経験する可能性があります。
- 統合失調症
- 統合失調性感情障害
- 双極性障害
- 重篤なうつ病
全般性不安障害や強迫性障害(OCD)などの他のメンタルヘルス疾患も、精神病の発症につながる可能性があります。これは、その症状に伴う極度のストレスの結果として起こります。
精神病は、次のような人にも起こります。
- 脳損傷を負っている
- アルコールを断とうとしている
- 睡眠不足である
- 大麻やコカインなどの娯楽用薬物を使用したことがある
- 娯楽用薬物を断とうとしている
- 尿路感染症などの感染症にかかっている。感染症は時にせん妄と呼ばれる状態を引き起こすことがあり、これにより見当識障害を起こしたり、場合によっては精神病症状を発症したりすることがあります。せん妄の原因が治療されると、精神病症状は通常改善します。
また、新規または最近処方された薬剤の副作用として、あるいは薬剤の服用を中止した際にも起こります。
精神病を発症した理由を突き止めることができない場合もあります。
精神病の意味は人によって異なります。
- 人生における重大な出来事- 精神病は、親しい友人や親族の死など、重大な出来事やストレスの多い出来事の後に発症することがあります。また、幼少期に虐待やネグレクトを受けた経験のある人は、発症する可能性が高くなります。
- 出産 - 出産後に精神病を発症することがあります。これは産後精神病と呼ばれます。
- 大麻、LSD、コカイン、スピードなどの違法薬物を使用した後に精神病を発症することがあります。薬物やアルコールの使用をやめると、精神病の症状が改善することがあります。しかし、薬物と精神病の関係は、時にもっと複雑な場合もあります。薬物を使用している場合は、治療を担当している医療従事者に相談し、薬物使用をやめるための支援を受ける方法について話し合ってください。
- 気分障害を抱えている場合、重篤なうつ病エピソードや躁病エピソードが発現するときに精神病が発症することがあります。
- 睡眠不足― 極度の睡眠不足は精神病を引き起こす可能性があります。
ほとんどの人はストレスを経験したり、薬物を使用したり、出産したりしても、精神病を発症することはないという点に留意することが重要です。精神病は、はっきりとした理由もなく発症することもあります。理由が何であれ、精神病を発症したとしても、それはあなたのせいではないということを覚えておくことが重要です。
医師は、治療に役立つ可能性があるので、あなたが精神病を発症した原因を突き止めようとするかもしれません。例えば、あなたが薬物を服用している場合、薬物の服用をやめるための支援は、回復にとって重要な部分となるかもしれません。しかし、薬物やアルコールを使用して対処しているとしても、これによって、精神病に対するタイムリーで科学的根拠に基づいた治療を受けることをためらうべきではありません。
精神病の症状を呈していると思われる場合、どうすればよいですか?
精神病に関連する症状が一つでも見られる場合は、一般開業医に相談してください。恐らく専門家によるメンタルヘルスサービス、または地域における精神病早期介入サービスを紹介されるでしょう。
精神病の早期介入サービス
精神病早期介入(EIP)サービスは、精神病を患っている、または精神病を患っている可能性のある人々が、適切なケアを迅速に受けられるようにするために導入されたケアモデルです。精神病の人が早期に治療を受ければ、回復する可能性が高くなり、回復も早くなることを示す証拠が数多くあります。
評価
精神病症状が現れている場合は、精神病の専門知識を持つ専門家による診察を受け、以下の点についてさらに詳しく調べてもらう必要があります。
- 精神病の症状の発現を一度しか経験しない人もいます。精神病を経験し、回復し、二度とそれを経験しないということです
- 生涯を通じて複数回、精神病の症状発現を経験する人もいます。
- これらの人々の中には、統合失調症、統合失調感情障害、または関連する精神病性障害と診断される人もいます。診断結果はかなり複雑に聞こえるかもしれませんが、医師に診断結果の各項目が何を意味するのか説明を求めることができます。
精神病の症状の発現を1回以上経験していて、統合失調症や統合失調感情障害などの診断を受けていない理由を知りたい場合は、医師に相談してください。これらの診断のいずれもあなたの症状を最もよく表していないと医師が感じるのには、何らかの理由があるかもしれません。
精神病はなぜ起こるのか?
精神病の原因は必ずしも分かっているわけではありません。精神病の発症リスクを高める要因には、以下のようなものがあります。
- 心の健康状態
- 薬物やアルコールの使用
- 服用中の薬剤
- 患っている可能性がある身体健康疾患、全体的な身体の健康状態
- 介護者による支援を受けているなど、人間関係や支援ネットワーク
- 過去に経験したトラウマや辛い出来事
- 学歴および職歴
- 生活の全般的な生活の質。
伝える情報がかなり多いと感じるかもしれませんが、治療に当たる人にとっては、あなたの生活状況や困難に感じていることを理解したり、支援方針を検討する上でこれらの情報が手がかりになります。
残念ながら、精神病のエピソードを体験している時は、自分の不調に気付けないことがあるので、助けを求めることが困難になりがちです。
身体的な検査では精神病を診断できません。そうではなく、診察する人があなたにどのような症状がみられるかを確認することで、正確な診断ができるようになります。
精神病にはどういった治療がありますか?
様々な方法が精神病を患っている人にとって助けとなります。これらは状況や方法によって役立つものが異なってきます。
残念ながら、このセクションで紹介するサービスは、必ずしも英国全土で利用できるものばかりではありません。サービスによっては、利用可能であってもすぐに利用できないものもあります。
薬剤による治療
初めて精神病症状が現われている場合、抗精神病薬と呼ばれる薬剤を処方される可能性が高いでしょう。
抗精神病薬はどのように作用しますか?
抗精神病薬は脳内の様々な化学物質に作用しますが、特に「ドーパミン」と呼ばれる化学物質に作用します。妄想や幻覚といった精神病症状は、脳内でドーパミンが過剰に生成されることで引き起こされると考えられています。抗精神病薬は、脳内のドーパミンの量を低減させることで作用し、精神病症状を改善または軽減します。
精神病においては、セロトニン、ノルアドレナリン、ヒスタミン、グルタミン酸などの脳内化学物質も影響を受けると考えられています。抗精神病薬の多くは、これら化学物質の量にも影響を及ぼします。
抗精神病薬には副作用がありますか?
すべての薬剤には副作用があり、個人によっても薬剤の種類によっても副作用は異なります。抗精神病薬を服用し始めると起こりうる副作用については、主治医からの説明があり、服用する薬剤やあなたが心配に思うことについて相談する機会を与えてくれるはずです。
また、処方された薬剤に関連する一般的な副作用について説明したリーフレットも渡されるはずです。リーフレットをよく読んで、何か質問があれば、薬剤を処方する主治医に尋ねてください。
薬剤の服用で不快な副作用が生じていると感じたら、主治医に相談してください。症状を治療しつつ、耐え難い副作用や不快な副作用を伴わない薬剤が見つかるよう、主治医はサポートしてくれるはずです。主治医は抗精神病薬を処方する際、服用している他の薬剤や、抗精神病薬とそれらとの相互作用も考慮する必要があります。薬剤間の相互作用に関する詳細は、BNFのウェブサイトをご覧ください。
健康状態のモニタリング
抗精神病薬の服用を開始する場合、事前に全身の健康についての診察を受けておく必要があります。これには以下のようなものがあります。
- 血液検査 糖尿病や高コレステロールなどの状態の検査
- 身体的観察(血圧、心拍数、体温など)
- 身長および体重の測定、場合によっては体格指数(BMI)の測定
- 心電図(ECG) 心臓の電気活動の測定
- 喫煙、飲酒、薬物使用については、関連性のある場合に尋ねられる。
精神病治療薬剤を服用中は、少なくとも年に一度、身体の健康診断を受けることが重要です。これらの健康診断は、一般開業医またはメンタルヘルスチームが行います。身体の健康チェックは誰が行うのか、また健康上の問題を発見した場合にどうなるのかについては、メンタルヘルスチームに確認してください。
特定の薬剤、アルコール、違法薬物、タバコなどは、抗精神病薬と危険な相互作用を起こす可能性があります。以下の場合は医師に相談することが重要です。
- 他の薬剤を服用する場合
- お酒の嗜好がある場合
- 違法薬物の使用がある場合
- カフェインの大量摂取がある場合(特に、常時ではなく時々摂取する場合)
- 喫煙を始める、止める、または減らすと決めた場合。禁煙すると抗精神病薬の血中濃度が上昇するため、薬剤の用量を少なくする必要があるかもしれません。クロザピンを服用している場合は、この点が特に重要です(クロザピンについては次のセクションで詳しく説明します)。
- 感染症に罹患している場合 体内の薬剤の濃度が変化することがあります。
なぜ身体的検査が必要なのですか?
精神病を患っている人は、身体の健康を損なうことがあり、特に心血管系の健康状態が悪化する可能性があります。このため、注意深く身体の健康を観察する必要があります。身体の健康状態の改善のために、主治医は、生活習慣の改善、服薬方法の変更、または特定の副作用(体重増加など)を防ぐ目的で追加の薬剤の服用を勧める場合があります。
どの抗精神病薬が処方されますか?
抗精神病薬の投与には様々な種類があります。抗精神病薬の投与はすべて一貫して同様に効果的であることが示されている一方で、クロザピンはより高い効果が示されています。抗精神病薬において異なる点は、服用して現れる副作用の種類とその度合いです。
以下に該当する場合、特定の抗精神病薬の服用を控えるよう勧められることがあります。
- 妊娠の可能性がある
- 他に服用している薬剤がある
- 糖尿病や高血圧など、他に健康上の問題を抱えている。
主治医はこれらの点をすべて考慮し、最も効果的な抗精神病薬を一緒に選択してくれるはずです。
クロザピン
クロザピンは、他の複数の抗精神病薬が効果を示さなかった患者に対して一貫した効果が研究で示されている唯一の抗精神病薬です。以下のような場合、主治医からクロザピンの服用を勧められることがあります。
- 2種類以上の異なる抗精神病薬の投与が一定期間あったにも関わらず
- 引き続き、精神病の症状に悩まされている。
前のセクションで説明したように、クロザピンの服用を開始すると通常の身体の健康チェックを受けることになります。加えて、より精密な検査も受けることになります。
- クロザピンを開始した最初の18週間は、週1回血液検査を受ける必要があります。
- クロザピンの開始から1年間は、2週間ごとに血液検査を受ける必要があります。
- 1年を経過したら、4週間ごとに血液検査を受ける必要があり、クロザピンを服用する限りこれを継続します。
血液検査
クロザピンの服用中は、全血球数検査と呼ばれる血液検査を定期的に受ける必要があります。この検査は、体内の白血球数の減少という、クロザピンに関連する非常に稀な副作用の可能性について調べるためのものです。白血球には感染症と闘う働きがあるため、白血球が不足すると重篤な病気になることがあります。定期的な血液検査によって、医師はこの兆候がないかを確認します。
血漿濃度モニタリングという別の血液検査が必要になる場合もあります。この検査は、血液中のクロザピンの濃度を測定するものです。クロザピンが適切な服用量であるかを確認するため、またクロザピンの使用に関連した健康上の問題を除外または診断するために使用することがあります。
将来的に、患者によっては、現在のような頻回な血液検査が必要でなくなるかもしれないことを示唆する証拠が出始めています。この件に関して指針に変更があった場合は、メンタルヘルスチームと相談することになります。
クロザピンの服用においては、処方通りに服用することが非常に重要になってきます。クロザピンの服用が48時間以上中断してしまった場合は、その次に服用する前に、速やかに医師に連絡して指示を仰いでください。服薬が中断した後に服用量の全量を服用すると危険な場合があるためです。
副作用
クロザピンを服用している人が、他の副作用を経験することもあります。これらの副作用の中には、前のセクションで挙げた全ての抗精神病薬に関係する副作用と類似するものもありますが、クロザピンで特に多く見られる副作用には以下のようなものが含まれます。
- 体重増加
- 疲れやすさ
- 便秘
クロザピンが原因で心拍数が通常よりも速くなる(洞性頻脈と呼ばれる)患者もいます。これは、クロザピンを服用し始めたことによる身体の正常な反応です。しかしながら、心機能障害を示す症状でもあります。このため、洞性頻脈が続く場合は、心機能障害に関する他の兆候や症状がないかを検査すべきです。
このような副作用は心配を募らせるかもしれませんが、ほとんどは簡単に対処できるものです。
薬剤はどのくらいの期間服用しなければなりませんか?
どれくらいの期間服薬しなければならないのか、そして、将来的に薬剤による治療を中止できるかどうかについて、知っておきたいと考える患者は少なくありません。薬剤の服用が必要となる期間を予測するのは非常に難しく、多くの異なる要因によって左右されます。
薬剤による治療開始から1~2年以内に服用を中止すると、再発のリスクが高くなります。再発とは、精神病のエピソードを再度経験することを意味します。薬剤による治療を継続することで、再発のリスクは大幅に低減できます。
薬剤の服用を中止したために再度精神病エピソードが起きた場合は、服用を再開し、状態を維持するために薬剤による治療を続ける必要があるかもしれません。薬剤の服用を継続する期間は、あなた自身とあなたの状況によって決まります。
薬剤の服用を止めたらどうなりますか?
薬剤の服用を止めると、再び体調が悪くなる可能性があります。再発は、繰り返せば繰り返すほど再び回復することが難しくなります。それに毎回同じ具合に回復するとは限りません。主治医が薬剤の服用を続けるよう勧めるのには、このような理由があります。
薬剤の服用を中止したい場合、または中止を検討している場合は、まず主治医であるメンタルヘルス専門家または一般開業医に相談することを強くお勧めします。薬剤による治療を中止することのメリットとデメリット、生じるリスク、そして中止する最適な方法について、医師らは説明してくれるはずです。
持続性注射剤
持続性注射剤(デポ剤とも呼ばれる)は、錠剤として服用するのではなく、筋肉に注射(筋肉内注射)して投与される薬剤です。その後、薬剤は数週間かけてゆっくりと体内に放出されます。
持続性注射剤に含まれる薬剤は、錠剤に含まれる薬剤と同じです。
錠剤よりも持続性注射剤を好む人もいます。なぜなら、毎日薬剤を服用することを覚えておく必要がないからです。一方で、注射を好まない人や、毎日錠剤を服用する方が良いと考える人もいます。
研究では、持続性注射剤を使う人の方が、錠剤の抗精神病薬剤を飲む人よりも良い結果が出ていると示されています。持続性注射型抗精神病薬の投与に関する詳細は、当社の情報リソースをご覧ください。
心理療法
心理療法、すなわちトークセラピーとは、セラピストと一人で、あるいはグループで、自分が抱えている問題について話し合うことです。
心理療法は、精神病、統合失調症、統合失調感情障害の治療法として推奨されており、その効果を裏付ける多くの証拠が存在しています。薬剤と同時に心理療法は提供されるべきです。両方がより効果を増すことがあります。
さまざまな心理療法がどれだけ役に立つかは、あなた自身とあなたのおかれている状況次第です。
残念ながら、住んでいる地域によっては、心理療法を利用するまでに時間がかかる場合があります。
認知行動療法(CBT)
CBTでは、日常的な状況において、より役立つ考え方や反応の仕方を学べます。CBTは他のトークセラピーとは異なり、過去の経験よりも、現在の課題に焦点を当てます。
個別のCBTが提供されるはずです。これは、セラピストとマンツーマンで週1回、少なくとも16回のセッションを行うものです。
CBTはどのような助けとなりますか?
CBTは、次のような形で役立ちます。
- 自分の思考・感情・行動の間の関係性を、自分の症状に関連づけて理解することができる
- 自分の信念が抱えている症状とどのように関連しているかを理解する
- 症状に対処するための代替手段を身につける
- 自分の症状による苦悩を軽減する。
CBTはいつから始めるのですか?
心理療法は、予定されたセッション以外の時間でも取り組み、課題をこなすことができると、より効果が高まります。もし精神的に不調であれは、もっと安定している時にCBTを始めたほうが良いかもしれません。これは、CBTでは、抱えている妄想や信念の一部に疑問を投げかける必要がある場合があるためです。もしそれに取り組む準備ができていない場合、セラピストとの関係を悪化させ、メンタルヘルスをさらに悪化させる可能性があります。
アートセラピー
アートセラピーは、様々な創造的な表現を用いて、人々が自身の思考や感情を探求するのを助けます。アートセラピーには、絵画、写真、彫刻、音楽、執筆などがあります。
アートセラピーは、次のようなことをする上で助けとなります。
- 自分を表現する
- 他の人とコミュニケーションする新しい方法を見つける
- 自分の経験をアートを通して表現する。
家族支援
家族支援とは、あなたとあなたの家族が受けられる様々なサポートで、回復を改善するために役立ちます。
家族と一緒に取り組む方法はたくさんあります。しかし、家族支援はメンタルヘルスの専門家によって行われるべきで、以下の事項をカバーする必要があります。
- 心理教育 - あなたとご家族が診断結果をよりよく理解できるよう支援する
- ストレスを管理し軽減する
- あなたと家族が感情を効果的に処理できるよう手伝う
- 思考や信念について異なる捉え方をすることを学ぶ
- 問題を解決する。
家族支援には、あなた自身が含まれることもあれば、最初は家族だけに提供されることもあります。家族支援は、少なくとも3か月、少なくとも10回のセッションを提供されることになります。
その他の療法
ここではボイス・ダイアログ療法(アバター療法)」など、詳しく説明されていないほかの療法もあります。これらはイギリス全国で広く利用できるというわけではありません。
入院
非常に体調が悪ければ、回復を助けるために精神病院で一定期間過ごす必要があるかもしれません。これは次のような場合に役立ちます。
- 高いレベルの治療とケアが必要な場合
- 自分や他人を傷つける危険がある場合
- 他者によって傷つけられる危険がある場合
強制入院
場合によっては、あなたは精神保健法のもとで評価され、病院で拘束される必要があるかもしれません。あなたが病院にいないと安全ではなかったり、自分でケアについての判断をすることができない場合に必要となります。これは「強制入院」とも呼ばれ、法律にによって病院に留め置かれることを意味します。
さまざまな種類の強制入院がありますので、詳しくは強制入院のリソースでご確認ください。このリソースはイングランドとウェールズにのみ適用され、スコットランドや北アイルランドでは別の法律と規制があります。
精神保健法により拘束された場合でも、医師はあなたに治療について意見を尋ね、できる限り意思決定プロセスに参加できるよう支援しなくてはなりません。状況によっては、医師があなたの治療について親しい友人、家族、または介護者と話す必要が出てくることもあります。情報共有にはルールがあり、それについては、精神疾患を持つ人のケアに関する情報リソースで詳しくご覧になれます。
独立精神保健擁護者
精神保健法に基づいて拘束された場合、自動的に独立精神保健擁護者(IMHA)を利用する権利があります。
IMHAは、豊富な知識を持った個人であり、以下の事について深い知識を持っています。
- 精神保健法
- 精神保健法に基づいて拘束されている個人の権利。
IMHAは、入院している精神保健トラストから完全に独立しており、あなたの拘束に対する異議申し立てを支援したり、病棟での審査に同席たりすることができます。IMHAは、あなたの意見や考えが、治療を担当する人達にしっかりとつたわり、考慮されるように支援してくれます。
IMHAについては、 Mindのウェブサイトで詳しくご覧ください。
コミュニティメンタルヘルスサービス
地域でケアや治療を受けることができる場合があります。つまり、自宅や支援付き住居に住みながら、コミュニティメンタルヘルスチームによる治療を受けることができるということです。
コミュニティメンタルヘルスチームは、精神科医、精神科看護師、作業療法士、心理士、支援ワーカーなど、さまざまな役割の人から構成されています。
メンタルヘルスのサポートを提供するだけでなく、薬剤の見直しや心理療法の提供を通して、仕事、住居、または給付金の申請など、他のことも手助けしてくれます。
支援付き住居
支援付きの住居を得るには、複雑な手続きが伴うことがあります。必要であれば、このプロセスを事前に理解しておくことが大切です。このためには、あなたのケアに関わるすべての人々の協力が必要となります。地域でケアを受けることを焦点は、適切なサポートを確保しつつ、あなたの自立を促進する事に置くべきです。
地域のチーム
地域社会には、あなたをサポートしてくれる次のようなさまざまなチームがあります。
初期精神病介入チーム
このチームは、初回の精神病エピソードを持つ人々に集中的なサポートを提供します。その中には統合失調症や統合失調感情障害と診断される場合もあります。
積極的訪問チーム
このチームは、長期間にわたって統合失調症や統合失調感情障害と診断されている人々に、手厚い支援とサポートを提供します。これは、他のサービスと連携するのが難しいと感じる人や、様々な理由で定期的に薬剤を服用できていない人にとって、特に役立ちます。
危機対応および在宅治療チーム
このチームは、精神状態が悪化している場合に、入院する代わりの選択肢として支援してくれます。
職業リハビリテーション
これには、デイセンター、デイホスピタル、コミュニティヘルスセンターなどが含まれます。これらの施設では、仕事復帰のコース、教育、芸術、料理といったさまざまな活動が提供されています。また、あなたと同じようなことを経験している他の人たちとも繋がることができるかもしれません。
これらのサービスの利用の可能性は、住んでいる場所によって大きく異なる場合があります。
社会的支援
地域社会で自立した生活を送ることが困難な場合、ソーシャルワーカーが割り当てられると役立つかもしれません。ソーシャルワーカーは、ケア法に基づくアセスメントを実施し、あなたに満たされていない社会福祉ニーズがあるかどうかを把握します。
ケア法によるアセスメントは、次のような提案を推奨するかもしれません。
- 地域にあるご自分の住居内で受けられるケアパッケージ
- 支援付きの生活の場
- 作業療法士によるアセスメント
ケア法に基づくアセスメントは、精神科病院に入院する際、または地域社会で生活している際に行われる可能性があります。
いつ回復が見込めますか?
回復の過程は、人それぞれ大きく異なります。処方された薬剤をどれだけきちんと継続して服用しているか、メンタルヘルスサービスへの関与度、そして友人や家族から受ける支援など、さまざまな要素に左右されます。健康になるため、そして健康を維持するために「正しい」ことをすべて行ったとしても、症状に浮き沈みを経験することはあります。
回復を「症状が全くなくなること」と考えないようにすると良いでしょう。なぜなら、それは必ずしも可能ではないからです。代わりに、回復を次のように考えてみてください。
- 以前できていたことができるようになる
- 自分の病状を理解する
- 健康を維持するために役立つことを学んでいる
- 体調が悪くなり始めている兆候を知っておくこと、そして体調が悪くなったときにどのような助けが必要かを知っている。
自分自身の支える方法はどのようなものですか?
健康をできるだけ維持するために、自分でできることはたくさんあります。メンタルヘルスチームは、「健康を維持するための計画」を提供し、それを完了する手伝いをしてくれます。健康を維持するための計画は、定期的に見直し、必要に応じて修正する必要があります。この計画は、あなたとあなたのケアに関わる人々との協力のもとに作られ、その内容があなたにとって適切であることが重要です。
自分自身を支えるために重要な他のこととしては、次のようなことが挙げられます。
ストレスの原因となるものを避ける
これらの内容は人によって異なりますが、例えば以下のようなものが含まれる可能性があります。
- ストレスを引き起こす環境 – これは、特定の場所や人物など、あなたに特にストレスを感じさせる可能性のある環境を指します。
- 薬物とアルコール – 飲酒や薬物使用は一時的には楽しいかもしれませんが、長期的には精神衛生に悪影響を及ぼす可能性があります。薬物やアルコールは気分を悪化させ、被害妄想を引き起こしたり、幻覚を見始めさせたりする可能性がある。また、服用している薬剤と相互作用を起こし、非常に危険な状態になる可能性があります。
自分のウェルビーイングをサポートすることを行う
これらの多くは、誰もが心身の健康を維持するためにできることです。精神疾患を抱えている方には特に役立つ可能性があります。
- バランスの良い食事を心がけましょう。規則正しく食事を摂り、食事を抜くことは避け、主要な食品群からバランス良く食品を摂取しましょう。健康的な食生活についてもっと詳しく知りたい場合は、NHS(英国国民保健サービス)のウェブサイトをご覧ください。
- 運動― 活動的な生活を送ることは、良好なメンタルヘルスを維持するのに役立つことが示されています。自分が楽しめる運動で、定期的に続けられるものを見つけてみてください。これは、早足で散歩に出かけたり、水泳をしたり、地元の運動教室に参加してみたりすることかもしれません。
- メンタルヘルスチームとの連絡を取り続ける – もし苦しくなったら、メンタルヘルスチームに連絡して、必要な支援がどのようなものか、どこで助けを得られるかを確認しましょう。
- 経済的・住居面の安定 – お金や住居に関する問題は、私たちが経験する最も大きなストレスの原因の一つとなり得ます。住居や経済面で困っている場合は、当サイトの 給付金・経済的支援・借金相談 に関する情報をご覧ください。ここでは、どのような給付金を受け取れる可能性があるか、またその申請方法について解説しています。作業療法士がメンタルヘルスチームにいる場合は、彼らがこれを手伝ってくれるかもしれません。
再発の兆候を理解する
「再発の兆候」とは、精神的な調子が悪くなり始めたときに、通常、取り始める行動や表れてくる振る舞いを指します。あなた特有のものであることから、「シグネチャー」と呼ばれています。
あなたや身近な人たちは、こうした兆候に注意を払い、もしそうした行動が見られ始めた場合にどう対処するか、あらかじめ話し合って決めておくとよいでしょう。体調が悪くなりつつある兆候としては、次のようなものがあります。
- 眠れない
- 家にこもる、あるいは普段より多く外出する
- 普段とは違う話し方や振る舞いをする
- 仕事や学校でのパフォーマンスが低下する
- 家族や友人に対しても含め、以前よりイライラしやすくなったり、攻撃的になったりする
再発に関して考慮すべき重要な点は、「洞察力の喪失」です。これは、自分が体調不良であること、そして、その症状が現実のものではないと、もはや自覚できなくなる状態のことです。
Recovery Colleges
Recovery Collegesは、精神疾患、メンタルヘルス疾患、ウェルビーイングに関するオンライン講座および対面講座を提供しています。これらは、精神的な不調を抱えており、自身の状態や回復に向けた取り組みについてさらに理解を深めたいと考えている方々を対象としています。Recovery Collegesでは、家族、友人、介護者を対象とした講座も開講しています。
Recovery Collegesは、多くのNHSメンタルヘルストラストで利用できるほか、Recovery College Onlineを通じてオンラインでも利用できます。
社会的処方
回復に向けて重要なのは、他の人と一緒に、自分が楽しめることをする時間を過ごすことです。社会的処方は、人々を地域サービスや地元のグループに結びつけて、精神的および身体の健康をサポートするのに役立ちます。
たとえば、ガーデニングが好きな場合、社会的処方には、近くのガーデニンググループと毎週連絡を取り、そこで他の人と会い、好きなことをして一緒に時間を過ごすと良いでしょう。
これの詳細については、社会的処方のリソースをご覧ください。
仕事
体調がかなり悪ければ、仕事のスタイルを変える必要があるでしょう。これには、雇用主からより多くの支援を得ること、仕事を一時的に休むこと、あるいは現在の仕事がストレスの原因となっている場合は、別の仕事を探すことなどが当てはまりまるでしょう。こうした変化は必ずしも永続的なものである必要はありませんが、できるだけ健康な状態を保つために、何かできることはないか考えてみることは大切です。
雇用主への連絡
精神疾患と診断された場合、雇用主にそのことを伝えるべきかどうか迷っているかもしれません。診断結果を雇用主に伝えることで、解雇されたり、不当な扱いを受けたり、同僚とは異なる扱いを受けたりするのではないかと心配する人もいます。
北アイルランドでは、精神疾患は『2010年雇用法(Equality Act)』および『1995年障害者差別禁止法(Disability Discrimination Act)』において障害とみなされています。つまり、精神疾患を理由に誰かを差別することは法律で禁じられているということです。
診断結果を雇用主に伝えた場合、雇用主にはあなたを支援する法的責任があります。
合理的配慮
雇用主は、あなたの仕事内容について、合理的な配慮を行う必要があるかもしれません。例えば、体調不良で休んでいたものの、職場復帰の準備が整っている場合、段階的な復帰を提案されることがあります。具体的には、フルタイムではなく半日勤務にする、あるいはパートタイムで働き始め、徐々に勤務時間を増やして再びフルタイムに戻すといった方法があります。
自分にどのような調整が役立つか考えてみて、雇用主に相談してみてください。合理的な調整の詳細については、Acas のウェブサイトをご覧ください。
Access to Work
Access to Workは、労働年金省 (DWP)が提供するサービスで、障害のある人々に実務面および経済面での支援を提供するものです。被雇用者や自営業、求職中の人が利用できます。
Access to Workは、上記で説明した「合理的な調整」以外にも、支援や適応策を提供することができます。例えば、Access to Work制度を利用すれば、雇用主があなたのための就職支援コーチの費用や追加研修費用を負担してくれる可能性があります。
運転
精神病を発症した状態で運転する場合、運転免許庁(DVLA)にその旨を届け出る法的義務があります。
体調が優れない間は、運転は安全ではないため、控えてください。ただし、少なくとも3か月間体調が良好であれば、再び運転を再開できる可能性があります。運転しても安全かどうかは、医師に相談すれば分かるはずです。
回復後、運転免許庁(DVLA)は担当の一般開業医GPまたは精神科医に書面で連絡し、あなたが再び運転しても安全かどうかを評価するよう依頼します。
精神疾患と運転に関する詳細は、運転免許庁(DVLA)のウェブサイト精神疾患に関するセクションでご確認いただけます。
家族や友人のための情報
精神病を経験した人を知っているなら、どう支えてあげればいいのか悩んでいるかもしれません。ここでは、あなたができることをいくつか提案します。
生計を立てる
精神病は、診断を受けた本人を知る人々にも影響を及ぼすことがあります。あなたの身近な人や大切な人が精神病の症状に苦しんでいるなら、あなた自身も情報や支援を得ることが役立つかもしれません。これは双方にとって有益なことです。なぜなら、あなたがより多くの情報を得て、より手厚いサポートを受けられれば、知人をよりよく助けることができるようになるからです。
精神病について学ぶ
精神病は、よく誤解される病気です。ご自身の都合の良い時間に、医療機関や慈善団体が提供する信頼できる情報を参考に、精神病について詳しく調べてみることで、身近な人を支えることができます。そうした団体の一部を以下に挙げておきます。また、精神病を経験した人々の体験談を読むことで、あなたや大切な人が現在、そして将来どのような状況に直面する可能性があるのかを理解する手助けになるでしょう。
どのように協力できるかを知る
知人に、何かお手伝いできることはないか尋ねてみてください。家計の管理を手伝うなど、具体的な手助けを求めてくるかもしれません。あるいは、診察に付き添ってもらうなど、精神的なサポートを求めてくるかもしれません。
誰かの介護に深く関わっている場合、その人の治療について医師と話し合ったり、意思決定を支援したり、その人の代弁をしたりしなければならないこともあるでしょう。詳細については、当サイトのメンタルヘルス疾患のある方のケアに関するリソースをご覧ください。
財政的支援
あなたの知人は、体調が悪いときに多額のお金を使ってしまったり、他人から金銭的に搾取されたりする危険にさらされている可能性があります。もしそうであれば、あなたが彼らの資産を守るための対策を講じる手助けができるかもしれません。これは、二人で話し合って決めなくてはなりません。
給付金、金融アドバイス、および借金に関する詳細は、当サイトの情報リソースでご覧ください。また、National Debtlineのウェブサイトにアクセスして、精神疾患を抱える方々に向けたお金や借金、経済的支援に関する詳細情報を確認することもできます。
また、Citizen’s Adviceのウェブサイトをご覧いただくか、お近くのCitizen’s Adviceを探すこともできます。担当アドバイザーに相談すれば、自分が受けられる給付金について説明を受けたり、申請書類の記入や必要書類の入手についてサポートしてもらえる可能性があります。
妄想を理解する
家族や友人にとって、知り合いが明らかに事実と異なる考えや意見を持っている場合、どのように対応すればよいのか判断に迷うことがあります。家族や友人は、こうした考えに異議を唱えるべきか、同意すべきか、それともただ無視すべきか、とよく悩むものです。精神病の症状を経験している人にとって、それらの症状と現実を見分けることが不可能な場合があるということを、忘れてはなりません。
彼らの感情を引き起こしている信念を否定するよりも、彼らの感情そのものを認める方が、より効果的かもしれません。例えば、知人が政府に監視されているのではないかと恐れている場合、そうではないと説得しようとするのではなく、その人が抱いている感情に寄り添って、次のように答えることができます。
「それは本当に恐ろしいですね。お気の毒に。何かお手伝いできることはありますか?
残念ながら、危機的状況にある人を必ずしも気分良くさせてあげられるとは限りません。
あなたが介護者の場合
精神疾患を抱える人の世話をしている場合、あなたは「介護者」と見なされる可能性があります。精神病のような重度の精神疾患を抱える人を介護することは、時に非常に困難な場合があり、介護者自身の身体と心の健康を維持することも重要です。たとえご自身を介護者だと認識していなくても、特定の給付金や支援を受ける資格がある場合があります。
介護者の方は、無料の介護者アセスメントを受ける権利があります。これは、あなたの生活をより楽にするために何が必要かを考えるのに役立ちます。入手方法の詳細については、NHSのウェブサイトをご覧ください。
また、精神病を患う人の介護者や友人、家族のための地域密着型の支援グループを見つけることもできるかもしれません。
詳しくは、当サイトの精神疾患のある方のケアに関するリソースをご覧ください。
さらなるリソース
成人の精神病と統合失調症:予防と管理、一般向け情報、NICE – The National Institute for Health and Care Excellence(NICE)は、さまざまな精神衛生の問題を抱える人々が受けるべきケアと治療の基準に関するガイダンスを提供しています。この情報は一般の方を対象としており、精神病や統合失調症を抱える成人向けの指針について解説しています。
慈善団体
精神病やその他の精神衛生の問題に関する信頼できる情報は、以下の慈善団体からも入手できます。
関連リソース
以下に、精神病とその支援・治療に関連する資料をいくつかご紹介します。ご参考になれば幸いです。
その他の症状
治療法
サポートとケア
出典
この情報は、英国王立精神医学院 (Royal College of Psychiatrists)’ パブリック エンゲージメント編集委員会 Public Engagement Editorial Board(PEEB)によって作成されました。執筆時点での利用可能な最良のエビデンスを反映しています。
専門家執筆者:Dr Declan Hyland, Dr Angeliki Tziaka, Dr John Crosby および Dr Louay ElTagy
経験のある専門家:Alice Evans, Ashley Nsimbi, Debra Knychala, Janet Seale, Mark Ellerby, Michael Robinson および Dr Sofija Opacic。
ご要望があれば、文献をお送りします。
This translation was produced by CLEAR Global (June 2026)