統合失調症—キー・ファクト

統合失調症とは何ですか?

思考や感覚および行動に影響のある精神障害のひとつです。平均的な発症年齢は15歳~35歳であり、100人に1人の人が生涯のどこかで発症すると言われています。

 

統合失調症は、しばしばマスコミなどのメディアにおいて暴力と関連つけて報道されますが、これは例外的なケースで、必ずしもそうではありません。入院治療が必要ないことも多く、統合失調症の人の多くが安定した生活を築き、仕事をもち、人間関係を維持しています。

 

統合失調症の原因は何ですか?

多様な原因が絡み合って発症すると考えられています。原因として、遺伝的なもの、出生時や母親の胎内でのウイルス感染のために生じたわずかな脳への障害、または幼少時に虐待された体験などがあげられます。また、薬物の乱用(エクスタシー・LSD・覚せい剤・コカイン)がかなりの確率で発症の引き金になっており、十代の大麻使用でこの傾向が顕著です。ストレスのかかる出来事にあったり、家族との関係が緊張していると、病状の悪化につながります。

 

統合失調症の症状はどのようなものですか?

「陽性症状」には次のようなものがあります:

  • 幻覚—実際にはないものが聞こえたり(幻聴)・臭いがしたり・感じたり・見えたりする症状です。幻聴が最もよくみられます。これらは本人にはまさに現実に感じられます。幻覚は本人にとって心地のよいものであることもありますが、多くの場合、無礼で批判的であったり、罵倒したり、いらだたせるものです。
  • 妄想—他人に奇妙であると指摘されても、本人はそのことを強固に確信しています。他人から見ると、本人がなぜそのように確信するに至ったか理解できません。
  • 思考障害—集中して考えることが難しいと感じます。また、ひとつの考えから他の考えに飛びやすくなる傾向があります。他の人には、本人の言っていることが理解しづらいと感じられます。
  • させられ体験—しばしば、自分の考えが消えてしまったり、考えが自分のものではないと感じたり、または誰かが自分の体をのっとってコントロールしていると思います。

 

「陰性症状」には次のようなものがあります:

興味や気力、感情の欠如があげられます。朝起きることや家から外出することが億劫になります。洗濯・掃除・身だしなみを整えるといった日常的な事柄をこなすことも難しくなります。他の人と一緒にいるのを居心地悪く感じます。陰性症状がなく幻聴だけがある人もいますし、妄想があるものの、他の症状はほとんどない人もいます。考えがうまくまとまらなかったり陰性症状だけしかない場合は、何年もの間、病状に気がつかれない場合があります。

 

治療は有効ですか?

治療を受けるのが病気が始まってから早ければ早いほど、その後の経過は良好であり、入院治療の必要も減ります。

 

抗精神病薬

抗精神病薬は、妄想や幻覚を軽減する作用があります。さらに、物事を明確に考えたり、身の回りのことができるようになるためにも役に立ちます。概ね5人のうち4人の割合で、抗精神病薬によって症状が軽くなります(治癒するわけではありません)。調子がいつもよりいいと感じたときであっても定期的に服用し続けるのが、もっともよい結果をもたらします。

 

  • 定型抗精神病薬(古くから使用されている薬)この薬は、ドーパミンと呼ばれる脳内化学物質の働きを弱めます。副作用として、身体のこわばり感やふるえ、動きが鈍くなる感じ、落ち着かない感じ、性機能の低下、口がもぐもぐ動く・舌が動くなどの無意識の動き(不随意運動)があります。
  • 非定型精神病薬(近年使用が開始された薬)この薬は、脳内のいくつかの異なる化学物質に働きかけます。上記の不随意運動は起こりにくくなりますが、体重増加、糖尿病、疲労感、性機能の低下などの副作用がおこることがあります。

 

心理療法

  • 認知行動療法は、病気による症状と共に生活していくために役に立ちます。どういったことが病状を悪化させる原因になるのか、気がつけるようになります。安定した状態を保つための手助けとして、これまでと違うやり方で物事を考えたり行動したりできるようになります。
  • カウンセリングは、もし誰かに相談したい場合や、日常生活における問題に対し援助が必要な場合に有効です。
  • 家族療法は、本人とその家族が、病気にもっとうまく対処できるよう手助けをします。治療面談を通じて、家族は病気について理解を深めたり、統合失調症をもつ家族に対しての援助の方法、生活していく上で起こるかもしれない問題を解決する方法を学んでいきます。

 

社会的支援とリカバリー(回復)

  • デイ・センターーいろいろな活動のクラスや、学業や就労に関する助言、他の人々と過ごすための場所を提供しています。
  • 就労支援プロジェクトー仕事への復帰を支援します。
  • 芸術療法—自己表現を支援します。
  • 生活支援施設—滞在型の施設に入居している本人とともに、スタッフ(施設内に常駐していることも、訪問するだけのこともあります)が、日々の問題を解決しながら支援します。
  • 地域精神保健医療チーム(訳注:いろいろな職種のスタッフにより構成された精神保健を専門とするサービスで、地域で活動する)のキーワーカーが、日常生活面での問題解決を手助けしたり、薬物療法や対話療法(訳注:心理療法など、対話を通じて行われる治療法)といった治療を提供したりします。作業療法士は、生活面・職業面・社会面に必要な技術を身につけられるよう、援助をおこないます。

 

自分でできること

  • 調子が悪くなりかける時のきざし(兆候)を知りましょう。日々の生活の中のごく基本的なことで、たとえば食欲が落ちる、不安な気持ちになる、よく眠れないなどが含まれます。もし具合が悪くなる兆候が見られた時には、あなたの身近の信頼のおける人が教えてくれることがあるかもしれません。
  • ストレスの多い生活を避け、気分を楽にしようとして麻薬やアルコールを摂取するのはやめましょう。自分自身が楽しめることをするようにしましょう。
  • 健康的な生活を心がけましょう。食事に気を配り、禁煙し、運動をしましょう。

 

統合失調症の人にしてあげられること

彼らに起こっていることを理解するのは難しいことかもしれません。あなたの知っている人がいつもと違う振る舞いをする、他人を寄せつけない、活発でなくなるといったことが起こります。もし妄想があっても、本人はいつもその事について話すわけではありません。もし幻聴があったら、突然よそ見をして、まるで誰かの話を聞いているような態度をとるかもしれません。話しかけてもあまり話をしなかったり、まわりの人にとっては理解しがたいことを話すかもしれません。

 

統合失調症に罹っている人は、よりストレスに敏感です。あなたは口論を避け、落ち着いて振る舞うことで、彼らが落ちついた状態でいられるよう手助けができるのです。

 

地域精神保健医療チームに相談できますか?

もしあなたが家族や親類を介護・援助しているのならば、精神保健医療の専門家から情報を得ることができます。心理療法、薬物療法やその副作用について助言を得られるだけでなく、回復を助けるために何ができるのか教えてくれるでしょう。

 

このリーフレットの作成にあたり、ノーサンプトンのセント・アンドリュース精神保健慈善基金のご後援をいただきました。

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